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バスケ五輪代表の“歴史的1勝”のためには八村、渡邊以外のアタックが必要だ 「W杯が“あんな結果”になってしまったのだから…」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2021/07/02 17:01

バスケ五輪代表の“歴史的1勝”のためには八村、渡邊以外のアタックが必要だ 「W杯が“あんな結果”になってしまったのだから…」<Number Web> photograph by Kyodo News

国際強化試合のイラン戦に出場した富樫勇樹。日本代表に必要なものを考えている

「彼をカットするのは本当に苦渋の決断でした」

「海外組の3人が合流する前に、日本でプレーしているメンバーが、世界の選手たち相手にどこまで戦えるようになるか。その成長をラマス・コーチから強く求められていて。みなさんも見ていて感じると思いますけど、今の日本は激しいディフェンスから速いオフェンスの展開などは、W杯前と比べるとガラッと変わったので」

 現在の日本代表は、ディフェンスとオフェンスの両面の「システムの改善」をテーマに活動している。

 まずは良いオフェンスにつなげるためのディフェンス。そこには2つのポイントがある。

 1つ目のポイントが、選手の『サイズアップ』だ。

 衝撃的だった篠山の落選について、ラマスはこう説明した。

「長い間、信頼関係を築いてきた選手ですので、彼をカットするのは本当に苦渋の決断でした。ただ今後、世界規模の大会に臨むのであれば、ポイントガード(PG)というポジションに180cm以下の選手を2人も置くのは……。世界との競争をしていくのであれば、もっと身体能力の高く、もっと身長の高い選手たちを選ばないといけない」

「ダイキをPGとして長く起用したいと思っている」

 ラマス体制下の日本代表は178cmの篠山と、167cmの富樫勇樹の2人がPG(ポイントガード)の中心選手として引っ張ってきた。

 本職はシューティグガード(SG)の田中大貴がPGを任されることもあったが、2019年のW杯のときは富樫のケガが、2020年2月のアジアカップ予選では篠山のケガが主な理由だった。

 以前の田中は代役的な役割を担っていたのだが、今は違う。替えの利かない選手として、今回の活動が始まるにあたってHCから個別に、こんな声をかけられるまでになった。

「ダイキをPGとして長く起用したいと思っている」

 現代のバスケットボールの攻撃はピックアンドロールというマークのズレを作る戦術が主流だ。だから、守備をする側がそこにどう対応するのかが鍵になる。対抗策はいくつかあるのだが、最近の日本はマークする対象を入れ替えて対応するスイッチディフェンスを多用している。この守り方で、守備の向上をはかろうとしているのだ。

 ただ、一つ問題がある。この守り方をするときに180cm以下の選手がいると、マークする相手との身長差が30cm以上のミスマッチが起こるシチュエーションが増えてしまうのだ。ラマスはそれを嫌っている。

 だから、これまでは富樫がスタート、篠山が2番手だったPGの起用法をあきらめた。そして、篠山をメンバーから外しただけではなく、富樫をベンチスタートにして、田中を先発で送り出す試合も増えている。ラマスは、戦術を選考における第一の基準にするようになった。

【次ページ】 守備のカギはサポートコーチ兼通訳?

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