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33年前、東京ドームのこけら落としはマイク・タイソンだった?…では東京ドームで最初に投げた“意外な”ピッチャーは?
posted2021/06/22 17:00
text by
細田昌志Masashi Hosoda
photograph by
Sankei Shimbun
来る「東京オリンピック・パラリンピック」開催にあたって、4つの新会場が都心に現れたのを御存知だろうか。
有明アリーナ(バレーボール/車いすバスケ)、有明体操競技場(体操/ボッチャ)、大井ホッケー競技場(ホッケー)、東京アクアティクスセンター(競泳・飛込)。いずれも1万人規模の大会場ばかりである。
「ほとんど40年前の五輪施設をそのまま使う」という猪瀬直樹都知事(当時)のコメントを真に受けるなら、ここまで建設する必要があったのか甚だ疑問ではあるが、ともかく、オリパラ閉幕後も、スポーツイベントやコンサートが適宜開催されることになるのは間違いないのだろう。
となると「こけら落とし」には何が行われ、それぞれの競技の「初お目見え」は何が催されるのかというのは、筆者のように暇を持て余す庶民にとっては一個の関心事である。
《【杮落(と)し】劇場などを新築したときの最初の興行》(岩波国語辞典第五版)とあるように、世の大小問わず「会場」と名の付くものは、いずれもこけら落としが行われてきた。会場の歴史はこけら落としの歴史でもある。
また、プロ・アマ各スポーツ競技団体や、イベントを行う興行会社は、その会場における初お目見えの大会に、いつも以上の予算と人員を懸けている。初めての大会を成功に導くことで縁起のいい会場に仕立てたい意図は疑うまでもなく、それがこけら落としと重なりでもすれば、二重三重の栄誉ともなる。
そこで、都心に4つの会場が仲間入りしたことを記念して、国内の主な大会場の「こけら落とし」と「初お目見え」の歴史について、改めて振り返ってみたい。
そこに秘められた意外なドラマがあるかもしれない。時空旅行の一環と思ってお付き合い願いたい。
東京ドームのこけら落としはタイソン? ミック・ジャガー?
「大会場」と言って真っ先に思い浮かぶのは、やはり東京ドームである。このたび18年ぶりに格闘技イベント(RIZIN)が行われたばかり。東京ドームのこけら落としは何か? 正確に答えられる人は、意外と少ないかもしれない。
というのも、筆者のある友人は「東京ドームって、実は野球より先にマイク・タイソンの世界タイトルマッチをやっているんだよ」と胸を張った。しかし別の友人は「知ってた? 東京ドームのこけら落としって巨人戦じゃなくて、ミック・ジャガーのライブ」と自慢気に言った。