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辰吉丈一郎が“5年ぶり試合”で無敗王者を眠らせた&放火騒ぎで新日本プロレスは3年間出禁「城ホールと横アリの伝説」

posted2021/06/22 17:01

 
辰吉丈一郎が“5年ぶり試合”で無敗王者を眠らせた&放火騒ぎで新日本プロレスは3年間出禁「城ホールと横アリの伝説」<Number Web> photograph by KYODO

1997年11月22日、大阪城ホールでのWBC世界バンタム級タイトルマッチ。左のボディーブローでシリモンコンを攻める辰吉丈一郎

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細田昌志

細田昌志Masashi Hosoda

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KYODO

国内大会場の「こけら落とし」と「初お目見え」の歴史を振り返る。「東の横アリ・西の城ホール」それぞれの初イベントは何だったのか?(全3回の2回目/#1#3へ)

 続いては、首都圏を代表する大会場である“横アリ”こと、横浜アリーナのこけら落としと初お目見えに触れてみたい。

 松任谷由実コンサート「Delight Slight Light KISS/横浜アリーナオープニングセレブレイションコンサート」(1989/4/1.2.4.5)がこけら落としで、その後もスティーヴ・ウィンウッド、アルフィー、バナナラマ、少年隊、堀内孝雄、光GENJIのコンサートが続く。いかにもバブル期らしいラインナップである。

 では、スポーツ系の初お目見えは何かというと、陸上競技でもなければバレーボールでもバスケットボールでもない。意外や女子プロレスだった。全日本女子プロレス主催「レッスル・マリンピア―ド89」(1989/5/6)で目玉は長与千種の引退試合「長与千種&ライオネス飛鳥対西脇充子&北斗晶」とセレモニーである。クラッシュギャルズに熱狂したかつての少女が全国から駆けつけ、青春に別れを告げた感傷的なイベントだった。そこから横アリのプロレスの歴史は幕を開けたのだ。その後は新生UWF主催「U.W.F.MID SUMMER CREATION」(1989/8/13)が行われ、現在まで実に53回もの興行が開催されている。

 その新生UWFの解散後に誕生した、前田日明率いる総合格闘技団体「リングス」はさらに横アリと馴染みが深い。旗揚げ興行「ASTRALSTEP-1st SPIRIT-U」(1991.5.11)以降5度の興行を実施、前田日明の引退興行(1999/2/21)では「霊長類最強の男」と呼ばれたレスリング3大会連続金メダリスト、アレキサンダー・カレリンと戦っている。

石井和義「東京ドームでは会場が大きすぎる」

 立技格闘技団体のK‐1も、初期から横アリで数々のビッグマッチを行ってきた。初お目見えは「K-1 REVENGE」(1994/9/18)で、それ以降も、「アンディ・フグ対マイク・ベルナルド」(1996/5/6)、「ピーター・アーツ対マイク・ベルナルド」(1996/10/18)、「ピーター・アーツ対アンディ・フグ」(1997/3/16)など、ドーム興行に打って出るまで、「K‐1といえば横アリ」と言われるほど数々の名勝負を繰り広げた。

【次ページ】 石井和義「東京ドームでは会場が大きすぎる」

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