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【RIZIN】朝倉海の勝因と朝倉未来の敗因は同じ? なぜ弟は“フルスイング8連発”で勝ち、兄は三角絞めで失神したのか
posted2021/06/16 17:04
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
6月13日、東京ドームでの試合を終えた渡部修斗は、自分を倒した朝倉海について「頭がいい選手だと思いました」と語っている。「冷静だから強いのかな」とも。
RIZINバンタム級トーナメントの1回戦。渡部にとってはキャリア最大のチャンスとなる一戦だった。逆に海には正念場だ。昨年大晦日、堀口恭司にKO負け。ベルトを奪われ、再起を期してトーナメント参戦を決めた。
海は打撃を得意とするストライカータイプで、渡部はグラウンドでの“極め”が持ち味のグラップラー。試合のポイントはどちらが自分のフィールドで試合を進めるかだった。
渡部は開始早々、打撃に付き合わずタックルで飛び込む。海はこれを切って立ち上がり、仰向けの渡部に蹴りを見舞う。さらに海は“がぶり”の状態から体勢をコントロールしてグラウンドでのヒザ蹴り。渡部も腕を離さず、反撃の機会をうかがうのだが主導権を掴めない。
秘策だったというギロチンチョークも海に潰される。そこから海はパウンドを連打した。左手は渡部に掴まれていたが、思い切り振りかぶって右を8連発。動きの止まった渡部を見て、レフェリーが試合を止めた。
1ラウンドでのフィニッシュ。いかにも海らしい、豪快で迫力のある勝ちっぷりだった。だが闘った渡部の印象は「頭がいい」、「冷静」だった。このギャップにこそ、朝倉海という選手の本質があるのだろう。
「不安は一切なかったです」
海は兄の未来と同じく、対戦相手を徹底的に研究し、対策を練ることで知られる。その最大の成果と言っていいのが、vs.堀口1戦目のビッグ・アップセットだ。海と未来は堀口のクセを読み、見事にカウンターをヒットさせた。
今回の試合に関して、インタビュースペースでの海は「不安は一切なかったです」と語っている。
「相手の分析をして、客観的に自分と比べて、普通に勝てるだろうなと」
もし大晦日に続いて連敗を喫したら。絶対に優勝しなければならない。そんなプレッシャーもないわけではなかったが「それをかき消すくらい練習したし、強くなっている自信があるので大丈夫」だった。