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松井秀喜と大谷翔平の“ケタ外れな長打力”だからこそ… 「30年で2人」しか成し遂げなかった東京ドームでの“偉業”とは 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byHideki Sugiyama

posted2021/06/12 11:00

松井秀喜と大谷翔平の“ケタ外れな長打力”だからこそ… 「30年で2人」しか成し遂げなかった東京ドームでの“偉業”とは<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

完成前の東京ドームを見て、長嶋茂雄は「天井にボールをぶつけることは無理だろう」とコメントしていたという。

本当に……東京ドームでボールが消えた!!

 今から30年前には、こんなことで大騒ぎをしていたわけだ。

 実際にシーズンが始まると「東京ドームではボールが消える」などという話は誰も騒ぐことはなくなっていく。まったく当てにならない都市伝説のような話だったわけである。

 ところが開場当時のそんな騒ぎを忘れた頃に、今度は本当にボールが消えるという事件が起こった。

 2002年7月22日の巨人対横浜戦。7回だった。

 巨人の4番・松井秀喜外野手が放った打球が高く舞い上がった。

 右翼手のボイ・ロドリゲス外野手が前進してきたが、両手を広げて動かなくなってしまう。打球を見失ってしまったのである。

 松井も打った瞬間から視線は打球を追っていた。ところが一塁を回ったあたりでいつまでも落ちてこない打球を見失い、ポカンと口を開けて天井見上げたままになった。

 打球が消えたのだ。

東京ドームらしい、ボールが消える理由

 実際は消えたのではなく、推定50メートルの高さに上がったボールが、天井の二重幕の間に入り込んでしまったのである。 

 これまでは松井自身も含めて何度か天井を直撃した打球はあった。しかし、打球が落ちてこなかったケースは、東京ドーム開場から14年目にして初めての出来事だった。

 東京ドームの特別ルールでは「打球がフェア地域内にある天井の穴または隙間にはまりこんだ場合、あるいは懸垂物に挟まった場合は、ボールデッドとし、打者、走者ともに2個の安全進塁権が与えられる」とされている。

「外野の懸垂物に当たるか挟まれば本塁打」というルールもあったが、審判団の判断は「天井に内、外野という明確な基準はないが、内野部分で挟まったと判断した」(有隅昭二球審)として二塁打と判定された。

 そしてその松井の一打からさらに14年後の2016年11月13日に、2人目の「消える打球」を放ったのが、当時日本ハムでプレーしていた大谷翔平投手だった。

【次ページ】 大谷の推定飛距離は160メートル!!

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