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ホリエモン新球団はなぜ“ソフトバンク一色”の福岡に拠点を置くのか 「もうホークスの営業マンの息がかかっていない会社はない」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byBungeishunju
posted2021/06/04 11:01
「ホリエモン新球団」として報道された福岡北九州フェニックスは、北九州市民球場を拠点とする想定だという
「オンラインサロン発の球団は面白い」
●球団設立の経緯について
堀江氏が今年1月に、火の国サラマンダーズの神田康範球団代表に話を持ち掛けたことがキッカケ。両氏はかつてバスケットボール男子Bリーグのライジングゼファー福岡の経営陣(神田氏が社長、堀江氏が社外取締役)に名を連ねていたことがあった。
堀江氏は自身のオンラインサロン「HIU」(堀江貴文イノベーション大学校)を主宰。「オンラインサロン発の球団は面白い」と設立を決断した。
球団社長の槇原氏はオンラインサロンメンバーの一人。この30歳の元銀行マンが手を挙げたことで機運が高まった。また、オンラインサロンメンバーの中に北九州市の有力者もおり、「ビジネスとしてやっていけるメンバーがいる」と本拠地を決めた。槇原氏は今年2月に同地へ転居。北九州市役所にも挨拶を済ませており、「球団が出来るのならば嬉しい」との回答を得たという。
●現状と今後
「球団を立ち上げた段階なので、これからスポンサー営業。チーム編成はそれが落ち着いてから決めたい。今はまったくの白紙」と槇原球団社長。加盟申請中の九州アジアリーグの加盟承認については、今夏から秋を目途。トライアウトはリーグと合同で11月か。さらに球団単独でのトライアウト実施も検討とのこと。
●堀江氏の球団へのかかわり
槇原球団社長は「現場は我々が任されている。堀江氏はスポンサー紹介など、一歩引いたところから見守ると発言している」と話した。
なぜソフトバンクの拠点・福岡県に球団を?
今回の球団設立。筆者がまず疑問を持ったのは、なぜ福岡県だったのか、そしてなぜ北九州市だったのかという点だった。
後者の北九州については堀江氏が地場関係者に強い人脈があること。その縁からスポンサー確保がしやすい点ということで納得が出来た。堀江氏も「予算規模も検討し、これなら行けると思いました。設立して1年で終わるとかではマズい。ちゃんと継続していける体制づくりが出来ること。そこは一番重要だと考えていました。そのうえで何年もかからず、来年から実現できるというスピード感にも惹かれました」と話している。
しかし、敢えて福岡ソフトバンクホークスが拠点を置く福岡県に球団を作るというのは、正直なかなかの冒険だと思わざるを得ない。