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ホリエモン新球団はなぜ“ソフトバンク一色”の福岡に拠点を置くのか 「もうホークスの営業マンの息がかかっていない会社はない」
posted2021/06/04 11:01
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Bungeishunju
そのニュースは瞬く間に日本全国を駆け巡った。
5月22日の朝、九州ブロック紙である西日本新聞社が発行する西日本スポーツ新聞が「ホリエモン新球団設立へ」の大見出しと共にインタビュー記事を1、2面で掲載したのである。
<実業家の堀江貴文氏(48)は21日、西日本新聞社の取材に応じ、北九州市を本拠地とするプロ野球独立リーグの新球団を設立する計画を明かした。球団名は「福岡北九州フェニックス」で4月に同市で運営会社を設置。今年始動した九州アジアリーグへの来季からの参入を目指し、加盟申請を開始した>(5月22日付、西日本スポーツ1面より抜粋)
今の世は地方紙の記事だとしても、インターネットのポータルサイトにすぐ転載される。同日の午前7時過ぎには“ヤフトピ”に。読者コメント数はあっという間に伸びていき、世間の関心の高さをうかがわせた。
球団単独で緊急設立記者会見を開く運びに
熊本で生まれ、現在は福岡に腰を据えて野球取材を生業としている筆者とすれば、九州アジアリーグは当然関心事であり、しばしば試合に足を運んでいる。3月に同リーグの“コミッショナー”的存在ともいえる田中敏弘代表理事に話を伺った際に、「初年度である現在のリーグは熊本(火の国サラマンダーズ)、大分(大分B-リングス)の2球団編成ですが、来季は4球団へと拡張する準備をして交渉を進めています」と話していた。
その候補がまさか堀江氏の設立する球団だったとは、率直にまずは驚きが先行した。
面食らったのは筆者だけではなかったようで、かなりの数の問い合わせがリーグにもあったそうだ。しかし、福岡北九州フェニックスはあくまで「加盟申請中」の球団だ。混乱が生じ始めたことで、5月26日、福岡北九州フェニックスが球団単独で緊急設立記者会見を開く運びとなった。それが行われたことで、当日は再びニュースがあらゆる媒体で報じられていた。
オンラインで行われた会見には筆者も参加した。
新球団からは球団社長を務める槇原淳展氏(30)と球団創立者・球団取締役の肩書で堀江氏が出席をした。
そこで語られた内容について、まずは簡単に整理をしておこう。