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ホリエモン新球団はなぜ“ソフトバンク一色”の福岡に拠点を置くのか 「もうホークスの営業マンの息がかかっていない会社はない」 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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photograph byBungeishunju

posted2021/06/04 11:01

ホリエモン新球団はなぜ“ソフトバンク一色”の福岡に拠点を置くのか 「もうホークスの営業マンの息がかかっていない会社はない」<Number Web> photograph by Bungeishunju

「ホリエモン新球団」として報道された福岡北九州フェニックスは、北九州市民球場を拠点とする想定だという

北九州はNPBでも球団をつくれる規模

 槇原球団社長は「北九州に移住して、90万人も人口がいるの? と周りから驚かれる。街の規模などを見ても、他の独立球団に比べても非常に栄えているし、可能性を感じる」と話した。堀江氏も「100万人規模の都市ならば、NPBでも球団をつくれる規模だと思います。野球が盛んな土地ですし、むしろ応援もコアになるのでは」と前向きだった。

 北九州市は九州で福岡市に次ぐ第2の規模を誇る。2004年に人口100万人を割り、今も減少傾向にはあるものの、プロスポーツビジネスを行う都市としては十分な規模だといえる。現に福岡県内にはJリーグチームがアビスパ福岡とギラヴァンツ北九州の2クラブ存在する。

 だが、Jクラブとソフトバンクホークスでは「ホームタウン」の感覚が違う。ソフトバンクは「福岡」の冠をつけているが、球団も「我々は九州のチーム」と公言しており、ファン獲得、そしてスポンサー活動についても全九州エリアをターゲットにして積極的に行っている。「もうホークスの営業マンの息がかかっていない会社はない」と話す人もいる。新規独立リーグ球団が協賛企業を募るのが容易でないことは明らかだ。しかし、そこは先述したような堀江氏の人脈と、抜群の知名度もプラスに働くのだろう。

 独立リーグ球団の運営予算の最低基準は年間1億円。「オンラインサロンで数千万円規模のイベントを行ってきた実績、ノウハウもある」と堀江氏は語っており、「経営面に不安はない」と自信ものぞかせた。

ソフトバンク一色の福岡スポーツメディア

 筆者の仕事柄かもしれないが、気になるのは「広報活動」だ。福岡のスポーツメディアはソフトバンク一色と言っても大袈裟ではない。サッカー、バスケットボール、ラグビーなど日本のトップリーグ(下部も含む)で戦うチームは多いが、それらのファンは露出の少なさをいつも嘆いている。福岡北九州フェニックスがどれだけ報じられるのか。

 また、これは九州アジアリーグの大きな課題でもある。熊本球団も大分球団も正直露出が多いとは言えない。先日、それぞれの地元紙を見返してみた。

【次ページ】 地元紙「きょうのスポーツ」欄にも載らない試合情報

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大分B-リングス
福岡ソフトバンクホークス

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