野球のぼせもんBACK NUMBER
ホリエモン新球団はなぜ“ソフトバンク一色”の福岡に拠点を置くのか 「もうホークスの営業マンの息がかかっていない会社はない」
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byBungeishunju
posted2021/06/04 11:01
「ホリエモン新球団」として報道された福岡北九州フェニックスは、北九州市民球場を拠点とする想定だという
堀江氏は九州アジアリーグに革命を起こしうるか
堀江氏という大きな活力を手にするだろう九州アジアリーグ。その巨大すぎるパワーにひと飲みにされてしまう危険性も孕んでいるが、野球界に革命を起こすくらいの可能性も秘めている。
堀江氏は歯に衣着せぬ発言も多いためにアンチが生まれているのも事実。
だが、会見の中では球団設立に際しての地域への思い、野球への愛情をはっきりと口にしていた。
「人生を楽しく生きる、時間を有効に使うという考えの中で、プロスポーツは重要なピースだと思います。北九州に1つの球団ができて、みんなで応援できるようなチームに育てられるんじゃないか。コアな野球ファンはもちろん、たまにしか野球を見ない人たちも球場に来てもらい、楽しめるようにしたい。そこにはすごく力を入れたい」
自前球場の建築はまだ先にある大きな夢だとしても、球場の指定管理者になって「楽しめる場」を提供したいとの思いを話していた。
最終的にはメジャーリーグに対抗できるような勢力を
また、野球界への貢献や未来像についてもこう述べた。
「NPBで戦力外通告をされる選手の中には、たまたまポジションが空いてないなどの問題があってプレーする場を失う選手もいる。実力のある選手が一旦独立リーグを経由して戻ることもできます。また、NPBと連携もしながらそれが強化できると、日本のプロ野球界、ひいてはアジアの野球界の底上げができるかなと思っています。最終的にはメジャーリーグに対抗できるような勢力が、アジアでも構築できるようになる。そのひとつの基礎になればいいなと思います。これからの10年はアジアの時代だと思っています。世界で一番経済発展しているのがアジアになってくる。そういった地域でメジャーリーグを超えるスーパーリーグを作るみたいな構想が出てもおかしくないと思っている。九州が盛り上がって、選手をたくさん供給できるという話になってくると、非常にスムーズかなと思います」
やはり並の人間では思いつかないような発想が次々と飛び出してくる。
今、可能か不可能かを問うのは野暮だ。その熱量に期待をしてみたい。