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権田修一が本気で考える「日本でGKが人気ない」問題の改善法 欧州で指導者になったユース時代の同僚と話し込んでみた
text by
谷川良介Ryosuke Tanikawa
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2021/05/27 11:01
清水や日本代表で活躍する権田修一。FC東京の下部組織時代の“同僚”とGKについて大いに語ってくれた
中野:僕も海外でのプレーを経験して、現役を引退したいま改めて感じるのは、選手が持つ影響力が引退前と後ではまったく違うということ。選手自身が今、自分が持つ"影響力"に気づき、それを何に使えるか。そこが選手としての格を決めると思う。サッカーは日本でも人気スポーツの1つなわけですから、選手たちがこういった発信をすることはとても大事だと思いますね。
権田:遼太郎はまったく興味ないと思っていた(笑)。
中野:いや、あるある。
――中野さんは今、指導者としてラトビアで活動しています。監督、コーチの立場としてはどうですか?
監督やコーチも最後は専門のGKコーチに頼る
中野:ゴンちゃんが「GKが正しく評価されていない」と言っていましたが、ずっとサッカーをやってきた僕でさえ、GKの評価軸をちゃんと理解しているかと言われたら、できていないと思う。「お、あのGKめっちゃ止めたな」とかは見ていてわかりますけど、GKはミリ単位の世界で勝負しているので、監督やコーチも最後は専門のGKコーチに頼る。だから彼らはどんなことを考えてプレーしているのか、何を考えて日々取り組んでいるのか、そこを情報として選手たちの声で聞けるのは指導者としても発見につながると思いますよ。
権田:ありがとう(笑)。いまはコロナのことがあって、やれることが限られているので、これからって感じですけど。
中野:YouTubeは見ているよ。
権田:YouTubeでの発信は今後も続けるけど、それが一番の目的ではない。理想は環境面を整えること。「GK用の天然芝ピッチを日本中につくる」とか。GK専用だから全面コートじゃなくてもいい。各都道府県にフットサル場ぐらいのピッチを作りたい。
Jリーグも「100年構想」を掲げて、47都道府県にJのクラブを、と活動しているじゃないですか。だから各都道府県のJリーガーが、それぞれの街の先頭に立って、子どもたちと触れ合って、芝生で一緒にサッカーをやる。そこでGKの楽しさを伝えていく。それが僕の中での最終目標ですね。
あと「ゴールキーパーの日」を作って、全国で一斉イベントもやってみたい。それができる日がきたら、きっとチャンピオンズリーグの決勝で日本人GK対決が実現していると思うんですよ。
中野:なんか、壮大だね(笑)。