2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER

インディアンスの本音「ユニット? おいでやすこが? ふーん」と思ってた…M-1優勝できる芸人、できない芸人の決定的な差

posted2021/04/29 11:03

 
インディアンスの本音「ユニット? おいでやすこが? ふーん」と思ってた…M-1優勝できる芸人、できない芸人の決定的な差<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

インディアンスの田渕章裕(左、ボケ担当、35歳)ときむ(右、ツッコミ担当、33歳)

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中村計

中村計Kei Nakamura

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Hideki Sugiyama

「あれは漫才じゃない」――2020年のM-1はなぜあれほどの賛否を呼んだのか? 出場した漫才師たちのインタビューから、その答えに迫っていく。
準決勝で1度敗れたものの15組での争いを勝ち抜いたインディアンス。2度決勝の舞台に立った2人が分析する「M-1優勝できる芸人は何が違うのか?」。(全3回の3回目/#1#2へ)

――2019年、初めてのM-1決勝は、お2人にとってはとても苦い記憶となりました。9番手で登場し、田渕さんがネタを途中で忘れてしまうなどの痛恨のミスもあり9位。その後、翌年の敗者復活戦を勝ち抜き、再び決勝の舞台に戻ってくるまでの1年間は、相当苦しまれたそうですね。

田渕 正直、引きずっていましたね。M-1の借りはM-1じゃないと返せないとわかっていたので、絶対、決勝に行きたかった。なのに、準決勝で負けてしまって。あんときは地獄でした。また1年、ずっとモヤモヤするんかなと思った。あんなに大好きやったM-1を嫌いになりかけてましたから。だから、敗者復活で勝てたんがめっちゃくちゃ嬉しかったんです。

――決勝の第一声、田渕さんは「急に暖かいから、かゆいですね」と両腕をかかれました。あれもアドリブですか。

田渕 せり上がりで上がっていくときに考えていました。敗者復活の会場がめちゃめちゃ寒かったんで、あんな過酷な環境に置きやがってという、そういうメッセージも含めて何か言いたかったんですよ。

M-1とは「普段通りグランプリ」である

――前大会のインタビューでいちばん印象的だったのは、M-1とは、要するに、いかに普段通りできるかが試される大会なのだと。つまり、いつもやっていることができなくなる大会なわけですね。そこへいくと、田渕さんは、のっけからアドリブが出てくるあたり、今大会は「いつも通り」できていたわけですね。

【次ページ】 M-1とは「普段通りグランプリ」である

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