2020年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
インディアンスの本音「ユニット? おいでやすこが? ふーん」と思ってた…M-1優勝できる芸人、できない芸人の決定的な差
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byHideki Sugiyama
posted2021/04/29 11:03
インディアンスの田渕章裕(左、ボケ担当、35歳)ときむ(右、ツッコミ担当、33歳)
田渕 完敗だったんで。最初、正直に話せば、ユニット? おいでやすこが? ふーんって思っていた時期もありましたよ。でも、あれだけのパフォーマンスを見せつけられたら、負けたなと普通に思えたんで。
――今度、M-1決勝に進んだら「3度目」になります。M-1は出場回数が増せば増すほど鮮度が薄れ、勝つことが難しくなっていくという印象もありますが。
きむ 僕は2回目よりは3回目の方がいいですね。優勝するんやっていうモチベーションが高いので。僕はむしろギラギラしてますよ。
田渕 1年目は決勝を目指してもうてたから。それだと優勝できない。結局は、優勝したいって死ぬほど思わなあかんのやろうなと思うんです。
「きむは2万パーセント泣く」
きむ 去年のマヂカルラブリーさんもそうでしたけど、本気で優勝をねらってる人って、決勝進出が決まっても「ここがスタート地点なんで」みたいなことを言いはるんです。
で、決勝が決まった段階では泣かない。僕も今なら、泣かずに「ここがスタート地点です」って言うやろなって。やっと本気で優勝を目指せるところまで来たからやと思うんです。
田渕 まあ、きむはそう言いつつも、2万パーセント、泣くんですけどね。
きむ ハハハハハハ。こんなこと言いながら。
田渕 ただのフリにしか聞こえない。おれには。
――今年のM-1に向けて、もう手ごたえのあるネタはできつつあるのでしょうか。
田渕 1、2本、叩けばひょっとしたら……というのはないこともない。夏の単独ライブあたりで、「これや!」というのができてやー、という感じです。もう、そこはわからんので。怖いっすわ。
――今年は、さすがに敗者復活戦からというのはもういいという感じでしょうか。
田渕 できればストレートで上がりたいですね。準決勝で一度、死ぬときのつらさが……。
きむ つらい。あれから大会までの2週間がむっちゃつらいんですよ。
――敗者復活に賭けざるを得ない芸人の心境は、体験した者にしかわからないのでしょうね。
田渕 そうなんですよ。だから、去年はものすごい貴重な経験ができました。いよいよ死ぬってときが来たら、こう言うと思いますよ。おれ、M-1の敗者復活で勝ち上がったことあるんやで、って。
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(写真=杉山秀樹)