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インディアンスの本音「ユニット? おいでやすこが? ふーん」と思ってた…M-1優勝できる芸人、できない芸人の決定的な差 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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photograph byHideki Sugiyama

posted2021/04/29 11:03

インディアンスの本音「ユニット? おいでやすこが? ふーん」と思ってた…M-1優勝できる芸人、できない芸人の決定的な差<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

インディアンスの田渕章裕(左、ボケ担当、35歳)ときむ(右、ツッコミ担当、33歳)

田渕 楽しめましたね。ただ、ストレートで勝ち上がっていたら、どうなっていたのかな。ありがちな失敗は、優勝したいから、ええとこ見せようとする。普段、劇場でウケてるネタ持ってきてるんやから、普段通りやれればいいのに、それができずに、いつもよりおもんないみたいなことになっちゃう。だから、あれは「普段通りグランプリ」なんですよ。2019年、それはむっちゃ思いました。

きむ そこへ行くと、僕は、今大会、ネタが始まったとき、あっ、やっぱお客さんは(敗者復活戦を)観てるわって思ってしまった。ほんまに観てたかどうかはわからないんですけど、反応が薄いような気がして、「あ、ネタバレしてる」って。やっぱり敗者復活とネタを変えるべきやったんちゃうかなと後悔が走った。これじゃあ、ここからいくらがんばっても高い点数は出んやろなと、そこまで思ってもうた。

田渕 おれは、むしろあのネタじゃなかったら、トップバッターであそこまで点数は伸びてなかったと思うで。あの選択にミスはなかった。

松本人志さん「1番手90点台」は2度目ですが…

きむ ただ、途中で、たぶっちゃんが、ぺこぱのシュウペイさんのモノマネを入れてきたでしょ。アドリブで。敗者復活でも、あんなこと、言ってなかったもんな。あそこでやっと漫才に集中できましたね。雑念が消えた。

――そういうものなんですか。相方のアドリブが出ると、楽しくなってくるというか。

きむ そうですね。僕はそれを楽しみにしてるんで。まあ、ツッコミなんで「うるさい!」とか言わなあかんのですけど。

田渕 やり慣れてるネタは、アドリブが出やすいんで。そういう意味では、今大会のネタは最高でしたね。

――合計点は625点と、そこまで高いとも言えませんでしたが、松本さんがトップバッターに90点台を付けるのは1995年の笑い飯以来、2度目のことです。それなりの評価も受けたと思います。ただ、その評価以上に嬉しそうにされていましたよね。

田渕 トップバッターということも踏まえての点数やとは思うんですけど、僕は上等やなと思いました。こんだけ入れてくれたら。それから、あとで他の芸人に「おまえらがトップでほんまによかった」と言われてね。その瞬間、報われました。そら、本音を言えば、トップじゃないほうがよかったですよ。でも、誰かがせなあかんし、このメンバーやったら俺らが適役だと思っていたので。

きむ 劇場でまったく同じメンバーでやるとしても、トップは絶対、おれたちやな。

「ユニット? おいでやすこが? ふーん」

――5番手のおいでやすこがさんに合計得点で抜かれ、4位に転落しました。それでも、暫定ボックスから去るときも、本当に清々しかったですね。

【次ページ】 「ユニット? おいでやすこが? ふーん」

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