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巨人投手陣に“桑田革命”が進行中!? …QS率が急上昇(46.7%→79.2%)、原監督は「意識を植え付けた」
posted2021/04/23 12:25
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Hideki Sugiyama
見慣れた光景になってきた。
巨人がピンチの場面を迎えると、背番号73がベンチから出てゆっくりとマウンドに歩いていく。
スリムな体型。軽やかな足取りは、まるでこれから自分がマウンドに立つようにも見えなくはない。マスク越しだから表情は分からないが、目はいつも穏やかだ。
そして一言、二言、投手にアドバイスを送ると、また同じような軽やかな足取りでベンチに戻っていく。
今季から巨人のユニフォームを着た桑田真澄投手チーフコーチ補佐である。
「本当はベンチにも入らない予定だったのですが、原(辰徳)監督の指示でベンチに入り、いつからか忘れましたが、今日から真澄はマウンドに行くという指令を受けました」
21日に放送されたニッポン放送「ショウアップナイタープレイボール」でのインタビューで桑田コーチは、試合中にマウンドに行く役割を任されるようになった経緯をこう説明した。
根本的な投手陣の意識が変わった?
マウンドではピンチを迎えて状況が見えなくなっている投手に、1つのアウトのとり方や一塁が空いている状況では、改めてそれを指摘してストライクゾーンを広く使っていくようというような指示を出しているという。ただし投手交代については一切、関知せずに原監督と宮本和知投手チーフコーチの間で決断されているという話もしていた。
もちろんこうした試合中のアドバイスやブルペンでの投球の技術やピッチングへの考え方などの指導もあるだろうが、やはり桑田コーチの加入で改めて大きく変わったのが、根本的な投手陣の意識ではないだろうか。
その点を指摘するのは原監督だった。