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「牝馬の時代」か、三冠馬の逆襲か。~大阪杯から読む古馬王道戦線~

posted2021/04/19 07:00

 
「牝馬の時代」か、三冠馬の逆襲か。~大阪杯から読む古馬王道戦線~<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

レイパパレ(Lei Papale)父ディープインパクト。母は'06年チューリップ賞(GIII) 2着、ローズS(GII) 2着などの実績があるシェルズレイ。生産はノーザンファーム、馬主はキャロットファーム。栗東・高野友和厩舎。'20年チャレンジカップ(GIII)で重賞初制覇。牝4歳。6戦6勝

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太田尚樹(日刊スポーツ)

太田尚樹(日刊スポーツ)Naoki Ota

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Keiji Ishikawa

女帝が去った2021年の中長距離路線。第1戦となる仁川の2000mを制したのは、三冠馬でもなく、三階級制覇を狙う快速馬でもなく、小さな馬体の新星だった。一方、豪脚自慢の牝馬三冠馬とグランプリホースは海の向こうでターフを駆ける。覇権を巡る、五つ巴の戦い。その行方を関係者の言葉とともに追いかける。

 桜を散らす大粒の雨は、開花した素質を際立たせたように思えた。4月4日、今年最初の王道GI大阪杯。出走馬最軽量422kgのまだ頼りなげな4歳牝馬レイパパレは1頭だけ土つかずの姿で帰ってきた。三冠馬コントレイルや短距離女王グランアレグリアが泥まみれで引き揚げてきたのとは対照的だった。GI馬5頭を寄せつけもしない4馬身差の逃げ切り。初戦から手綱をとる川田将雅騎手も賛辞を惜しまない。

「本当にすごいことをしたなと思います。すばらしい馬です。不安の方が大きかったですけど、あっさりと克服してくれて、このメンバーで勝ちきってくれました」

 一躍にして'21年の日本競馬界の先頭へ躍り出た感がある。名牝アーモンドアイが去ったターフの主役を目指し、レース史上最高と評される顔ぶれがそろった一戦。そんな中で史上最速タイのキャリア6戦目で古馬GI制覇を成し遂げた。しかも無敗だ。

 楽園ハワイの風を感じさせる馬名だが、その血脈には100年以上も日本で育まれてきた由緒とロマンがある。10代前の母フロリースカツプが英国から輸入されたのは明治時代の1907年。血統表にはマルゼンスキー、トウショウボーイ、ウイニングチケット、クロフネ、そしてディープインパクトと、日本競馬史が凝縮されている。

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