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【皐月賞】ダノンザキッド、エフフォーリアは“道悪”をどう走る…難解な混戦を制すのは“奇跡の血量”のあの馬?
posted2021/04/17 17:01
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
コントレイルの一強ムードだった昨年とは打って変わって、今年の牡馬クラシック戦線は大混戦の様相を呈している。クラシック三冠競走の皮切りとなる、第81回皐月賞(4月18日、中山芝2000m、3歳GI)も、難解な一戦になりそうだ。
ここに至るステップレースではことごとく1番人気が負け、しかも、本番ではこうならないだろうと思われるスローペースが多かった。その結果をどのくらい参考にしていいのか、悩ましい。
サンデーの4×3、エフフォーリアの前走
そうしたなかでも、3戦無敗のエフフォーリア(牡、父エピファネイア、美浦・鹿戸雄一厩舎)の前走、共同通信杯の勝ち方は見事だった。道中は緩い流れのなか、掛かり気味に先行。エネルギーのロスが心配されたが、外から他馬に追い越されても、それ以上ムキになることはなかった。3コーナーでは、鞍上の横山武史の指示を受け入れ折り合い、抜群の手応えで直線へ。ラスト400m付近でゴーサインを受けると力強く末脚を伸ばし、2着のヴィクティファルスを2馬身半突き放した。3着はシャフリヤール。1番人気に支持されたステラヴェローチェは5着だった。
その後、このレースで2着だったヴィクティファルスが次走のスプリングステークスを制し、3着だったシャフリヤールが毎日杯をレコード勝ち。エフフォーリアの強さを裏打ちする結果となった。
エフフォーリアは、サンデーサイレンスの4×3という血統構成だ。名種牡馬の4×3は昔から「奇跡の血量」と呼ばれており、サンデーの4×3の馬で初めてクラシックを制したのが、昨年のデアリングタクトだった。「サンデーの血の飽和状態」と言われた日本の生産界が出した解決策のひとつとして、今後、この血量の一流馬が多くなっていくだろう。
ひとつ気になるのは、皐月賞当日の馬場状態だ。ただでさえ中山の芝コースは使い込まれて傷んでおり、天気予報では、土曜日から日曜日にかけて傘マークがついている。稍重か重の道悪になりそうだ。
エフフォーリアの過去3戦はすべて良馬場だった。道悪でも力を発揮できるか心配になってくるが、かき込むようなフットワークなので、こなせるのではないか。いとこのアドマイヤムーンが雨で稍重になった京都記念や宝塚記念を勝っているのも心強い材料だ。