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日本でも配信が決定、韓国女子ゴルフツアーの魅力って? 難しいコースに20歳前後の若きスターが揃う【10人の“モデル”も】
posted2021/04/07 17:01
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
Getty Images
今年、日本女子プロゴルフツアー(JLPGA)は5試合を消化した。
すでに2勝挙げる小祝さくらや渋野日向子らの“黄金世代”、昨季ツアー2勝をマークした古江彩佳らの“プラチナ世代”など、若手の台頭が目覚ましく、昨シーズンから引き継がれる賞金女王争いも一層、注目を集めていきそうだ。
だが、それに負けず劣らず、もしかしたらそれ以上の盛り上がりを見せるのが、お隣の韓国女子プロゴルフツアー(KLPGA)だ。2021年シーズンは4月8日の「ロッテレンタカー女子オープン」から開幕する。
なぜ韓国ツアーのことを取り上げるのか――それは今年からCS放送『スカイA』がKLPGAツアーの放映権を取得(2年間)し、開幕戦の4日間とメジャー大会の5試合を放送予定、さらに動画配信サービスの『スカイAゴルフLIVE』では全31試合を配信することになったと発表したからだ。
日本のツアーは、すべてのトーナメントをライブで見ることができない。数試合はネットでの生配信もあるが、地上波での録画中継が多いのが現状である。もちろん、スカイAはCS放送なので料金を払わなければ見られないが、それでも日本の衛星放送が韓国ツアーを中継、配信するという試みには、かなり驚かされた。
日本ツアーを盛り上げたイ・ボミ、申ジエ
確かに「韓国の女子ゴルフ」は、日本に大きな影響を与えてきた。
現在も日本でプレーしている元賞金女王の“スマイル・キャンディ”イ・ボミ、ツアー屈指の実力者でもある“スマイル・クイーン”のキム・ハヌル、“8頭身美女”ユン・チェヨンといった選手のほか、“セクシークイーン”の愛称を持つアン・シネらが大きな話題になったのは記憶に新しいところ。
一方で、日本ツアーで4度の賞金女王を手にしているアン・ソンジュや元世界ランク1位で米ツアー賞金女王のタイトルも手にしている申ジエといった安定感抜群のゴルファーも健在。
そうした個性豊かな韓国人選手たちは、30代になった今もシード選手として日本で活躍している。
実際、渋野日向子ら1998年度生まれの“黄金世代”が登場する前までの数年間は、韓国の選手たちが日本ツアー人気を牽引してきた時代があった。日本の女子ゴルフの全体的なレベルアップに貢献したほか、盛り上げ役としても欠かせない存在であるのは間違いない。
そんな彼女たちも、元々は韓国ツアーでプロデビューし、実績を残してきた選手たちだ。スカイAはそこに目をむけたのだろう。
最近ではBTSといったアーティスト、ドラマでは『愛の不時着』が日本でも人気を集める。東京・新大久保には流行りのコスメを買うために多くの若者が訪れ、ハットグ(韓国式アメリカンドッグ)を食べる人が行列を作っていたのも記憶に新しい。そうした様々な物の1つに「韓国女子ゴルフ」を――そんな試みは、個人的には面白いと思う。
では、韓国女子ツアーは、日本と比べてどこに魅力があり、違いがあるのか。実際に取材した経験を基に少し探ってみたい。