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日本でも配信が決定、韓国女子ゴルフツアーの魅力って? 難しいコースに20歳前後の若きスターが揃う【10人の“モデル”も】
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byGetty Images
posted2021/04/07 17:01
昨年の韓国女子ツアー開幕戦「KLPGAチャンピオンシップ」で初優勝を飾った2000年生まれのパク・ヒョンギョン
さらに現在の“世界ランキング”を見てみると、韓国の選手たちが上位を席巻している。彼女たちもまた、韓国ツアーでプロデビューした選手たちばかりだ。
4月5日時点で、世界ランク1位のコ・ジンヨン、同2位のパク・インビ、3位のキム・セヨン、8位のキム・ヒョージュ、14位のパク・ソンヒョン、15位のイ・ジョンウンは韓国ツアーで賞金女王などのタイトルを獲得したあと、米ツアーでもすぐに結果を残している。韓国女子ツアーのことを「世界でもっとも競争力の激しいツアー」と申ジエが語っていたが、それも決して大げさな話ではない。熾烈なツアー環境とライバル間の争いが、アメリカでも勝てる要因と感じる。
ゴルフ解説などで活躍するプロゴルファーの小田美岐さんは、韓国ツアーの選手がアメリカでもすぐに勝てる理由について、こんな話を教えてくれた。
「私が聞いたのは、コースセッティングが難しいということ。明らかな傾斜にピンが立っていたりするそうです。日本ではあまりに難しいセッティングだと、外野から様々な声も多いのですが、韓国ではそうした意見は言わせない文化があると聞きます。そんな環境で戦う選手は、難しい状況に慣れてきます。『米ツアーに行ったとき、逆に簡単に感じる』というのを米ツアーのメディア担当から聞いたことがあります」
それほど韓国のレベルが高いという話だが、これが本当であれば、実際に見る価値はある。日本の女子選手たちが米ツアーで勝つヒントが、韓国ツアーにはたくさん隠されているのではないだろうか。
「ファンあってのトーナメント」“魅せる”意識
もう1つ、人気を牽引する大きな要因として見逃せないのが、選手のファンサービスへの意識の高さだ。
以前、韓国ツアーの取材でもっとも驚いたのが、選手のホールアウト後に写真撮影を積極的にお願いするファンの姿だった。その日のスコアが良ければ気分もいいものだが、成績が悪ければ当然気分は良くない。それでもファンはお構いなしでお願いするのだが、選手たちは笑顔で応じていることに驚いたものだった。
これは韓国社会におけるSNS上の批評も背景にあると思う。ファンサービスの良し悪しが、すぐにネットに上がるのであれば、選手たちは評判を上げるために努力しようと心掛ける。実際、韓国の選手は、日本でのファンサービスがいいと聞くが、その理由についてKLPGA広報は「元々、ファンやメディア対応を重視する教育が徹底しているのもある」と言っていた。
ファンあってのゴルフツアーという認識を持つ選手が多いのも、ファンを獲得するうえで重要なポイントになっていると感じる。