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【香川真司32歳に】ザック、クルピ、クロップ… 「シンジは本当に、本当に、素晴らしい」名将もホレた才能
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byGetty Images(Masashi Hara)/Takuya Sugiyama
posted2021/03/17 06:00
セレッソ、ドルトムント、日本代表。香川真司のスキルは名将を虜にしてきた
「真司はデル・ピエーロに似ている」と言ったのは……
<名言3>
私は真司に「君のゲームでの役割はデル・ピエーロに非常に似ている」と伝えた。
(アルベルト・ザッケローニ/Number772号 2011年2月9日発売)
◇解説◇
主戦場がトップ下の香川を、別のポジションで使うことで化学反応を起こせないか――これはマンチェスター・ユナイテッド時代のアレックス・ファーガソンらの監督も“実験”した過去があるが、最も試行錯誤したのはザックで間違いない。
日本代表を率いた頃のザックジャパンの基本システムは4-2-3-1。特に“鉄板”の並びだったのは中盤だった。長谷部誠と遠藤保仁のダブルボランチの前に構えるアタッカー3人は、左から香川、本田圭佑、岡崎慎司だった。
2列目に香川と本田という2人のトップ下、本来ファーストトップの岡崎が並ぶ陣容は破壊力抜群だったが、両サイドハーフを本職ではない2人が務めること、特に香川の左MF起用が議論の的となった。
しかしそれは、ザックも承知の上だった。それどころかその潜在能力をこう認めている。
「前提として言いたいのだが、私は真司の能力がトップ下で生きることは十分にわかっている。だが、左で出た場合、使いようによっては、それ以上に能力を発揮できると思っているんだ」
そこで例として出したのがデル・ピエーロ。左45度のいわゆる「デル・ピエーロゾーン」から繰り出す決定的なシュートは1つの形となっていたが、ザックは香川のスキルの高さに、ファンタジスタと同じ“ロマン”を感じたのだろう。
実際、2013年コンフェデ杯イタリア戦ではザックの母国相手に左足ボレーでスーパーゴールを奪うなど、その才能は日本代表の舞台でも輝きを放った。