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経済には逆らえない…F1ラストシーズンに挑むホンダ、過去3回の「撤退事情」を振り返る 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byThomas Butler/Red Bull Content Pool

posted2021/02/25 17:01

経済には逆らえない…F1ラストシーズンに挑むホンダ、過去3回の「撤退事情」を振り返る<Number Web> photograph by Thomas Butler/Red Bull Content Pool

最後のシーズンを戦うレッドブル・ホンダのRB16B。ノーズとリアウイングには黄金時代を彷彿させるHONDAロゴが入っている

「カーボンニュートラル社会の実現」を理由に「撤退」や「休止」でなく「終了」という言葉を使った今回も、去りゆくホンダはF1に置き土産を残す。それはPU(パワーユニット)と呼ばれるハイブリッドエンジンで、現在ホンダがPUを供給しているレッドブルとアルファタウリ、2チームからの要求に応える格好だ。

 彼らには他メーカーのPUを搭載する選択肢もあったが、あえてホンダ製のPUを選んだ。ライバルチームとの間にあったであろう政治的な駆け引きも無視できないが、それ以上にホンダのPUに対する信頼があったことは間違いない。

ホンダ・パワーの行方

 21年2月15日、レッドブルは22年シーズン以降もホンダのPU技術を継続して使用することで、本田技研工業株式会社と合意したと発表した。

 ブランド・コミュニケーション本部長を務める渡辺康治は言った。

「我々は長い歴史を持つF1参戦の中で多くのことを学んできており、F1に対して大きな感謝の想いを抱いている。その恩に報いる意味でも、今回の合意により我々にとって大切なパートナーであるレッドブルとアルファタウリがF1への参戦を継続し、F1が今後もスポーツとしてエキサイティングな環境を維持するための力となれたことを、非常に喜ばしく思っている」

 今後レッドブルはミルトン・キーンズのレッドブル・テクノロジー・キャンパス内に「レッドブル・パワートレインズ社」を新たに設立し、22年以降もホンダのPUを運用していく準備を進める。

 HRD UKのファクトリーで働いているホンダのスタッフに関しては、希望があればレッドブルへの転籍を認め、ホンダ自身も22年に向けてレッドブルが行なう自主開発の立ち上げをサポートすることを約束している。

 4回目のラストシーズンもまた、ホンダにとって新たな歴史が始まる1年になると信じたい。

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