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フェブラリーSで「買い」の1頭と好勝負必至の2頭とは? 本命候補が“軒並み回避”の大混戦に必要な2つの要素 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2021/02/20 17:02

フェブラリーSで「買い」の1頭と好勝負必至の2頭とは? 本命候補が“軒並み回避”の大混戦に必要な2つの要素<Number Web> photograph by Photostud

1月の東海ステークスを制したオーヴェルニュは混戦を制するポテンシャルを持つ

「格」は劣るが展開不問、馬場不問の頼もしい馬

 前走の東海ステークスが重賞初制覇で、GI参戦はこれが初めてと、「格」ではライバルたちに一歩譲る。が、好位からでも中団からでも競馬ができるので展開不問。良馬場でも不良馬場でも結果を出している。東京での勝ち鞍はないが、同じ左回りの中京で行われた東海ステークスの勝ちっぷりと今の充実ぶりから、心配ないだろう。

 連勝街道を突き進み、東海ステークスで重賞初勝利を挙げてここがGI初参戦というのは、一昨年の覇者インティと重なる。

 1700mと1800mばかり使われてきて1600mは一昨年の4月以来だが、西村調教師は「スピードのある馬なので問題ない」と話している。距離適性が疑問視されて人気を落とすようなら、余計に「買い」だ。スタート直後に芝の部分を長く走れる外目の7枠14番という枠もいい。

川田将雅の思いは強いはず

 力が拮抗した馬同士のつばぜり合いで一歩前に出るには、勢いに加え人馬の強い結びつきも求められる。

 そうした視点から見ると、前走の根岸ステークスで重賞初勝利を挙げたレッドルゼル(牡5歳、父ロードカナロア、栗東・安田隆行厩舎)が浮上してくる。

 主戦騎手の川田将雅は、昨年暮れにダノンザキッドでホープフルステークスを勝ち、師匠の安田調教師の管理馬でのGI初制覇を遂げ、男泣きした。川田も、安田調教師も、このレッドルゼルで子弟コンビによる2つめのGIを獲りたいという思いは強いだろう。父のロードカナロアを管理したのも安田調教師。このレッドルゼルが勝った根岸ステークスがロードカナロア産駒によるJRAダート重賞初勝利だった。

 実戦では1400mより長いところを走ったことはないのだが、川田は1400mの根岸ステークスで1600mのフェブラリーステークスにつながる競馬を意識しながら結果を出した。好勝負必至だ。

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