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ラグビーW杯「影のMVP」中村亮土 あの成功体験をサントリーでも…“最強のチームマン”新主将の個人目標とは 

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谷川良介

谷川良介Ryosuke Tanikawa

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photograph byAki Nagao

posted2021/02/19 06:01

ラグビーW杯「影のMVP」中村亮土 あの成功体験をサントリーでも…“最強のチームマン”新主将の個人目標とは<Number Web> photograph by Aki Nagao

今季からサントリーサンゴリアスの主将に就任した中村亮土。新加入SOバレットら豪華なメンバーを牽引する

「誰よりもサンゴリアスを信じる」

 ジェイミー・ジャパン体制が発足した2016年秋はメンバー外だった男が、努力を積み重ねて掴んだW杯での“成功経験”。今度は主将として牽引するサントリーでも、それは早速生かされている。中村は国籍、ポジション、年齢を考慮しながら10人のリーダーを選んだ。

★サントリーサンゴリアスのリーダーグループ
PRセミセ・タラカイ(29歳、2季目)
HO堀越康介(25歳、3季目)
LOトム・サベッジ(31歳、2季目)
FL/No.8ツイ ヘンドリック(33歳、8季目)
FL/No.8ショーン・マクマーン(26歳、4季目)
SH流大(28歳、6季目)
SH齋藤直人(23歳、新加入)
SO田村熙(27歳、4季目)
SOボーデン・バレット(29歳、新加入)
FB尾崎晟也(25歳、3季目)
※昨季は流、マクマーン、マット・ギタウ(退団)の3人共同キャプテン制を敷いていた。

「リーチさんは日本のラグビーを一番信じていて、日本の可能性を誰よりも知っていた人だから、日本代表を(高いステージに)持ち上げることができた。誰よりもチームを勝たせたい、勝ちたいという思いが強かったからこそ、それがみんなに広がったのかなと思います。だから、僕も誰よりもサンゴリアスを信じ、協力しながら、みんなを高めていけるような姿勢をとっていきたい。そうすれば、自ずとチームは良くなっていくのかなと」

「みんなジャパンに入れるレベル」

 リーダーとして大事なのは「何を言うか」ではなく「誰が言うか」。リーチがそれを示したように、まずはそれをプレーで見せなくてはいけないと、中村は考えている。

「そもそも、『キャプテンシーとはなんぞや』という話には正解がないと思っているんです。今のところ、目標に向かって自分をリードすることがリーダーシップ、キャプテンシーなのではないかと考えています。いろんな考えがありますが、一番のベースはそこ。まずは自分がいいパフォーマンスを出すことが、チームに対していい影響を与えることにも繋がっていくと思う」

 今季のサントリーは、松島幸太朗や名手マット・ギタウ、長年チームを支えた小野晃征ら主軸が去る一方で、オールブラックスの司令塔ボーデン・バレットらが加入。登録選手数「44」は優勝候補のチームと比べても少ないが、「みんなジャパンに入れるレベル」と中村が話すほどの高いスキルを持つ精鋭部隊を揃えている。

 それゆえ、自身のポジション争いも熾烈だ。昨季も破壊力抜群のプレーを披露したオーストラリア代表サム・ケレビ、2023年W杯への期待も大きい梶村祐介、日本代表キャップを持つベテラン村田大志など、センター陣は「誰が出てもチーム力が落ちない」ほど多彩な組み合わせが期待できる。プレシーズンではWTB起用が目立っていた中野将伍という大器もいる。W杯戦士、キャプテンだからといって中村に居場所が与えられているわけではないのだ。

 だからこそ、中村はトップリーグでの「ベスト15選出」という個人目標を明言する。

【次ページ】 ベスト15と明言した理由

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