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【41歳に】今の若手は「サッカーを賢くやらなくなっている」… 実は熱く、厳しい遠藤保仁の発言が胸に響くワケ
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byMiki Fukano
posted2021/01/28 11:00
Number849号での取材時の1枚。一見ユルそうに見えて熱い“ヤット”の言葉には味わいがある
そして迎えたブラジルW杯本番、日本は2敗1分けという結果でグループステージ敗退を喫し、わずか3試合で大会を去った。
当時は相手の策に対応しきれず、“自分たちのサッカー”に固執したナイーブさを指摘する声が大きかった。ただ遠藤のコメントを振り返ると、特徴だったはずの攻撃力で殴り合いに持ち込めなかったことも敗因、という見方もできるだろう。
それでも――マイペースながら攻撃マインドを貫いている遠藤が輝くからこそ、彼が所属するチームは攻撃的で面白いという側面がある。それは西野朗監督が率いた頃のガンバ大阪、そして2011年アジア杯を制したザックジャパンが証明している。
<名言5>
まだまだできる。プレーで違いを見せられる自信はある。
(遠藤保仁/NumberWeb 2020年11月7日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/845737
◇解説◇
2020シーズンのJリーグで衝撃的なニュースとして報じられたのは、遠藤のジュビロ移籍だった。
ガンバでの偉大なキャリアで忘れがちだが、遠藤はこれまで横浜フリューゲルス、京都サンガにも所属経験がある。そこで地道にプレー機会を得たからこそステップアップしたわけだし、“まだやれる”と思うならば別のクラブにチャンスを求めるのはプロ選手として当然だろう。
実際、その年J2で苦しんでいたジュビロは即座に“ヤット効果”を実感することになる。加入後18試合中15試合に先発出場し、チームはこの期間わずか3敗。加入直前まで13位と低迷していた磐田は、最終的に6位まで上昇したのだ。「ここまでアシストや勝点で貢献してくれるとは正直驚きもある」とのチーム関係者の声も大げさではないだろう。
「若手とベテランが一緒になって良いものを作り上げながら、自分のサッカー人生に新たなページを加えたい」
遠藤はこのようにも語っていた。今季は同じ黄金世代の稲本潤一が所属するSC相模原がJ2昇格するなど、見どころは多い。“サックスブルーのヤット”がどんな妙技を見せてくれるのか、ぜひとも注目したい。