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結局、“左回り”は苦手だった? サートゥルナーリア引退で母シーザリオからの物語は子どもたちへ 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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posted2021/01/18 11:01

結局、“左回り”は苦手だった? サートゥルナーリア引退で母シーザリオからの物語は子どもたちへ<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

19年皐月賞を制したサートゥルナーリア。母・シーザリオから継いだ確かな血を、次の世代へ渡していく

シーザリオの仔、サートゥルナーリアは快勝を続けた

 ところが彼女が本領を発揮するのは繁殖に上がった後だった。

 まずは父シンボリクリスエスで2010年生まれのエピファネイアが活躍した。2012年にデビューすると、母のシーザリオ同様福永騎手を背にいきなり3連勝。2013年の皐月賞(GI)と日本ダービー(GI)こそ2着に惜敗したが、菊花賞(GI)では2着を5馬身も突き放して優勝。翌2014年にはC・スミヨン騎手にいざなわれてジャパンC(GI)も勝利してみせた。

 2013年に生まれた牡馬は父がキングカメハメハに替わっており、名をリオンディーズといった。新馬戦を優勝すると2戦目で朝日杯フューチュリティS(GI)で連勝。母のシーザリオ、兄のエピファネイアに続きGI馬となった。

 その3歳下の半弟がサートゥルナーリアだった。こちらの父はロードカナロア。2018年6月のデビュー戦から同年暮れのホープフルS(GI)まで3連勝。2019年にはホープフルS以来、ぶっつけでの出走となった皐月賞(GI)も優勝。これでデビューから2つのGIを含む4戦4勝。続く日本ダービー(GI)では単勝1.6倍の圧倒的1番人気に支持されたのも頷けた。

ダービーは騒がれたほど“思わぬ敗戦”ではなかった

 しかし、このダービーでサートゥルナーリアは初めて黒星を喫する。

 思えばその前の皐月賞は勝ったといえ2着のヴェロックスとはアタマ差、更にハナ差で3着にダノンキングリーが続いていた。つまり3頭がほぼ横並びでゴールに入線する辛勝だったわけで、展開やコース取りなどほんの少しの差で誰が勝っても不思議ではない結果だったのだ。それでもサートゥルナーリアが1着だった事でその戦績が4戦負け知らずになったため、続く頂上決戦では少々過剰人気になった気配があった。結果、東京の2400メートルを勝ったロジャーバローズから0秒5差の4着に敗れるのだが、当時騒がれたほど“思わぬ敗戦”ではなかった事が、先の検証からも分かるだろう。

【次ページ】 それでもやはりサートゥルナーリアは非凡な馬だった

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#サートゥルナーリア

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