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輸出寸前の悲劇…米国の人気種牡馬タピザーの死が日本の生産者を落胆させたワケ

posted2021/01/15 11:01

 
輸出寸前の悲劇…米国の人気種牡馬タピザーの死が日本の生産者を落胆させたワケ<Number Web> photograph by Getty Images

タピザーの代表産駒モノモイガールは'18年にGI 5勝。'19年は故障などで未出走も'20年はGI 2勝など4戦4勝

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片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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 12月15日、米国の人気種牡馬タピザー('08年生まれ、ケンタッキー産、鹿毛)が、輸出寸前の米国の牧場の馬房内で救うことのできない重度の骨折を負い、安楽死となったというニュースが馬産地を駆け巡った。同馬は'21年シーズンから北海道新冠の優駿スタリオンステーションで繋養されることが決まっており、シンジケート株は発表直後に満口、初年度は100万円に設定された種付けの申し込みも即満口という期待を集めていただけに、関係者の落胆は計り知れないものとなった。

 タピザーは、父タピット、母ウイニングコール(母の父デピュティミニスター)という血統で、ブリーダーズカップダートマイル(GI)など14戦6勝の戦績を残した競走馬。父タピットが驚異的な産駒の勝ち上がり率の高さで大成功した種牡馬で、タピザーはその力で種牡馬になれた感もあったわけだが、自身も種牡馬となってから凄まじい力を発揮した。

 2年目の産駒、モノモイガール(牝、'15年生まれ)が、ブリーダーズカップディスタフ(GI)などGIを7勝。通算でも15戦13勝と勝ちまくったのだ。2着に敗れた2回のうち1回は1着入線からの降着なのだから、まさにアーモンドアイ級ではないか。

 ちなみに、モノモイガールは'20年のブリーダーズカップディスタフを勝った翌日に開催されたファシグティプトンセールに上場されて、950万ドル(約10億円)で落札された。購買者は'21年シーズンも競走馬を継続の意向を示している。

「モノモイガールと3/4同じ血統!」は叶わず

 日本の生産者にとってのタピザーの使い勝手の良さは、モノモイガールのコピーが手軽に作れることだった。というのもGI 2勝などの戦績で種牡馬となった、同馬母の父ヘニーヒューズ('03年生まれ)が、現在は北海道新冠の優駿スタリオンステーションで、'20年の全馬総合10位と人気を博しているからだ。その産駒を繁殖牝馬として持っている牧場なら、タピザーと配合するだけで「モノモイガールと3/4同じ血統!」と売り出せるのだから夢があった。

 それだけに、まだ日本に到着してもいない段階で伝えられた悲報は、あまりにも虚しくやりきれない。配合予定を自信満々に組んでいた生産者は、ため息をつきながらタピザーの代役を探す作業に取り組むことになった。

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