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実力拮抗の有馬記念で勝ち馬を当てる“モノサシ”とは? クロノジェネシスに勝った馬も多いだけに… 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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posted2020/12/26 11:07

実力拮抗の有馬記念で勝ち馬を当てる“モノサシ”とは? クロノジェネシスに勝った馬も多いだけに…<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

オークスでのクロノジェネシス。今年の有馬記念はチャンスのある馬が多い

侮れないのはラッキーライラック

 ここまで紹介した5頭は全て天皇賞(秋)かジャパンCからの参戦で、過去のデータ的にもこの両レースから来る馬の好走は目立つ。しかし、別路線がまるでダメかと言うとそうでもない。オーストラリアのコックスプレート勝ちから連勝した昨年のリスグラシューはイレギュラーだが、その前年も菊花賞4着のブラストワンピースがこの大一番で巻き返し、初めてGIを制したり、3年前にはエリザベス女王杯で7着だったクイーンズリングが2着に好走したり、5年前の優勝馬ゴールドアクターもアルゼンチン共和国杯(GII)から連勝したりと、意外と別路線組の好走も多い。

 その見解から侮れないのがラッキーライラック(牝5歳、栗東・松永幹夫厩舎)か。前走のエリザベス女王杯を2年連続で制覇。道悪だった宝塚記念こそクロノジェネシスに敗れたが、大阪杯ではクロノジェネシスやブラストワンピースらをまとめて負かして優勝。ここまでGIを4勝もしている。父オルフェーヴルは有馬記念を2度制しており、新たにコンビを組む福永祐一騎手に懸かる期待は大きい。

チャンスのある馬が多い今回、勝ち馬を当てる近道は

 ラッキーライラックが制したエリザベス女王杯で2、3着だったのがサラキア(牝5歳、栗東・池添学厩舎)とラヴズオンリーユー(牝4歳、栗東・矢作芳人厩舎)。

 前者は3走前の小倉日経オープンがすごく強い勝ちっぷり。2着に負かしたボッケリーニがその後、重賞(中日新聞杯)を勝っている。前々走の府中牝馬Sも2着に3馬身の差をつける完勝ぶりでエリザベス女王杯の好走をフロック視するのは危険。現在の充実ぶりは軽視出来ない。

 後者は昨年のオークスでカレンブーケドールやクロノジェネシスを撃破し、その時点で4戦4勝。その後、順調に使えない時期もあって勝ち星には恵まれていないが、素質や潜在能力的に大きく劣っているとは思えないので注意したい。

 他ではアルゼンチン共和国杯で強い競馬を披露したオーソリティ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)。ここまでキャリアはまだ6戦のみという事で、過去のデータを元に考慮すれば決して楽ではないだろう。しかし、ここ2走、いずれも地力の要求される東京競馬場の芝2400メートル以上のレースで着差以上の完勝をした点は気にかけておく必要があるだろう。

 こうやってみていくと、チャンスのある馬が沢山いて目移りするが、個人的にはやはり“あの”アーモンドアイとどのくらいの差の競馬が出来たか? をモノサシにするのが、勝ち馬を当てる近道だと考えている。今年最後の大一番、いずれにしても先日のジャパンCに負けないような素晴らしいレースが展開される事を願いたい。

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