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実力拮抗の有馬記念で勝ち馬を当てる“モノサシ”とは? クロノジェネシスに勝った馬も多いだけに…
posted2020/12/26 11:07
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
いよいよ有馬記念(GI、中山競馬場、芝2500メートル)が目前に迫った。ジャパンCではレース前の時点でGI8勝をしていたアーモンドアイに今年の牡牝の無敗の3冠馬、コントレイルとデアリングタクトが激突。3強の下馬評通り、この3頭が上位を独占して幕を下ろした。
今回の有馬記念には残念ながらその3頭、全てが出走しない。ゆえに一見頂点を欠く1戦に感じてしまうが、改めてメンバーを見直すと決して興をそがれるわけではない事が分かる。先出の3冠馬こそいないものの、近年のGI戦線で主役を張って来た馬達が沢山エントリーしているのだ。
クロノジェネシスが中心になるのは間違いない
まずはファン投票第1位で、馬券的にも当然上位人気を争いそうなクロノジェネシス(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)。
昨年の秋華賞(GI)で初GI制覇を達成したが、本当に強くなったのは今年に入ってから。休み明けながら楽勝した京都記念(GII)を皮切りに今年は全て牡馬混合の重賞に出走。先の京都記念の後はいずれもGIの大阪杯、宝塚記念、そして天皇賞(秋)を走りそれぞれ2、1、3着。直前の天皇賞こそアーモンドアイ、フィエールマンに続く3着に敗れたが、春のグランプリである宝塚記念では2着のキセキを6馬身突き放す楽勝ぶり。宝塚記念と有馬記念は似た舞台設定という事もあり、昨年のリスグラシューを始め過去にも多くの馬が両グランプリで好走している。そういった見解からも中心的な存在になるのは間違いないだろう。
先述のクロノジェネシスに、前走の天皇賞で先着しているのがフィエールマン(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。その天皇賞ではゴール直前に鋭く伸び、クロノジェネシスをかわしたばかりか勝ったアーモンドアイに迫ってみせた。この馬の3回のGI勝ちは菊花賞と2度の天皇賞(春)で、つまりいずれも3000メートル以上。前走の2000メートル戦は明らかに距離不足で、今回、500メートル延長となるのは間違いなく良さそうだ。2度目の年間200勝を達成したC・ルメール騎手は「彼は素晴らしい馬なので自信を持って臨みたい」と力こぶ。大いに期待の出来る1頭だ。