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実力拮抗の有馬記念で勝ち馬を当てる“モノサシ”とは? クロノジェネシスに勝った馬も多いだけに… 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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posted2020/12/26 11:07

実力拮抗の有馬記念で勝ち馬を当てる“モノサシ”とは? クロノジェネシスに勝った馬も多いだけに…<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

オークスでのクロノジェネシス。今年の有馬記念はチャンスのある馬が多い

ブラストワンピースとマツリダゴッホの共通点

 ちなみにフィエールマンが昨年の凱旋門賞に挑戦した際、一緒にかの地へ飛んだのがブラストワンピース(牡5歳、美浦・大竹正博厩舎)で、この馬も今回出走する。一昨年の有馬記念の覇者ではあるが、今回はそれほど人気にならなそうな点をとっても粒揃いのメンバーである事が分かるだろう。ブラストワンピースの前走は天皇賞(秋)で11着。天皇賞で惨敗した後、ジャパンCをパスして有馬記念に出走し好走した例としてはマツリダゴッホ(2007年、天皇賞15着からの有馬記念で単勝は52.3倍の9番人気だったが見事に優勝)などがある。過去に勝っているだけにこの馬の巻き返しがあるかもしれない。

まだクロノジェネシスとの勝負付けは済んでない

 同じ関東馬のカレンブーケドール(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)も侮れない。先述の3頭とは違い、この馬の前走はジャパンC。アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトという3頭の3冠馬にこそ遅れをとったが、他の馬には先着の4着。最強馬アーモンドアイとの差を考えても、先述のクロノジェネシスやフィエールマンに劣っているとは思えない。実際、対クロノジェネシスについて、管理する国枝調教師は「たまたま相手が得意な道悪になるケースが多いけど、良馬場ならまだ勝負付けは済んでいないと考えています」と力強く語っている。

 昨春のスイートピーS以来、勝ち星からは見放されているものの、オークス、秋華賞、そして昨年のジャパンCでいずれも2着とGI戦線で幾度も好勝負を繰り返してきた実力馬。史上最多の有馬記念4勝を挙げている池添謙一騎手に鞍上を託したのも好材料。同騎手は直前の最終追い切りでも手応えを掴んでおり、またしても大仕事がありそうだ。

 同じジャパンC組からはワールドプレミア(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)も出走する。そのジャパンCは6着だったが、前年の有馬記念以来、11カ月以上ぶりの実戦だった事を思えばむしろよく走っており、手綱を取った武豊騎手も「乗り込み量を考えてもこんなに走れたのはビックリ。やはり潜在能力が高い馬という事なのでしょう」と目をパチクリ。

 昨年は菊花賞勝ち後の有馬記念で3着。フィエールマンにも先着している。今回は叩かれて更に良くなっているだろうし、昨年以上のパフォーマンスを見せてくれる可能性は充分にありそうだ。

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