第97回箱根駅伝出場校紹介BACK NUMBER

初めてシード校として臨む東京国際大学の勢い。前回メンバーが8人残る明治大学の安定感。 

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箱根駅伝2021取材チーム

箱根駅伝2021取材チームhakone ekiden 2021

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photograph byAsami Enomoto

posted2020/12/23 11:00

初めてシード校として臨む東京国際大学の勢い。前回メンバーが8人残る明治大学の安定感。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

全日本大学駅伝の2区で好走した東国大・丹所(左)と、明大のエース・小袖。箱根駅伝でも主要区間への配置が予想される。

「じっくり力をつけて成長してきた」

 箱根駅伝予選会に初出場した2012年は、21位。そこから17位、13位と少しずつ順位を上げていき、2015年の箱根駅伝予選会で9位。創部当初から立てていた、5年で本大会に出場する、という5か年計画を達成した。

 翌年の箱根駅伝予選会では15位に沈んでしまったが、2017年には10位で本大会に復帰。2018年には6位に上がり、そして昨季は1位で予選会を突破。勢いそのままに、本大会でも5位に入賞し、シードを獲得した。

 本大会の結果を見ても、初出場時は17位、2年後の94回大会も17位だったが、95回大会で15位、そして96回大会で5位にジャンプアップを果たした。

「昨季、突然強くなったと言われることもありますが、私たちからすれば、着実に、じっくり力をつけて成長してきて、その成果が現れてくれたんだと思っています」

 選手たちに急な成長を望まず、じっくりと人としての成長を促す。それが毎年チームに蓄積されていき、確固たる土台として築き上げられつつある。だからこそ、東国大は少しずつ、着実な歩みを続けられているのである。

コロナ禍の今、大志田監督が伝えたこと

 コロナ禍の今だからこそ、大志田監督はもう一度自分の生活を見直すように選手たちに伝えている。

「たとえばですが、大学の授業もリモートが多くなり、自分で自分を律しなければならない状況が増えてきました。そういう生活のなかで、提出物が遅れたり、授業に出席することが面倒に思ってしまったりする人もいるでしょう。

 そういうことは性格に表れますし、自然と競技生活、競技成績にも表れてしまう。今一度、自分たちの意志で行動を変えていかないと、目標を達成することはできません。そして、決めたことはやり通す。その気持ちを持つことが結果につながると思っています」

 スイスの哲学者、アンリ・フレデリック・アミエルの言葉である。

『心が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わり、人格が変われば運命が変わる。運命が変われば人生が変わる』

 人生を変える走りができるのか。選手たちはそのための行動を続けてきたのか。それを証明する時は、刻一刻と近づいている。最後に大志田監督は、こう選手たちに期待をかけた。

「昨季は強かった、というチームにはしたくない。実力的には、昨季を超える可能性を秘めています。ワクワクしてもらえるようなチームになったことを観ている人に感じてもらいたいですし、そういう走りをしたいですね」

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