オリンピックへの道BACK NUMBER
2024年パリ五輪、ブレイクダンスなど“若者向け”競技は増えたが…「枠削減」はなぜ起きた?
posted2020/12/13 06:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Getty Images
12月7日、国際オリンピック委員会(IOC)は理事会を開き、2024年のパリ五輪で実施される競技・種目を決定した。
追加されるのはブレイクダンス。また、東京五輪で実施されるサーフィン、スケートボード、スポーツクライミングも採用した。
一方で、パルクール、スカッシュ、ビリヤード、チェスは不採用となり、野球・ソフトボール、空手も外れることとなった。
若い世代をつなぎとめる、呼び込む目的
東京五輪から、新しい規則が導入され、その国で人気があり、大会の魅力を高めるスポーツの大会への追加を提案することができるようになった。
その規則に沿って、パリ五輪組織委員会はブレイクダンス、サーフィン、スケートボード、スポーツクライミングの追加を提案していたから、組織委員会の意向通りの結果になったと言える。
また、そこにはIOCの目指す方向性もうかがえる。
1つは、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、大会の簡素化とコスト削減が求められる状況にある。
その点で、新たに採用されたブレイクダンスや東京五輪に引き続き実施されることになったスケートボードやスポーツクライミングは、既存の施設を利用しやすく、相対的に施設の準備という点で容易だ。
もう1つは、若い世代をつなぎとめる、呼び込む目的だ。
例えば冬季オリンピックでも、オリンピックはあまり関心がなく、でもスノーボードなどのXゲームには惹きつけられる層がいた。そうした人たちを呼び込むために、スノーボードなどで種目の拡充が進んだ。それと同じ狙いがある。