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「今でもオオタニのユニフォームを売っています」大谷翔平が消えた“エンゼルスの今”、史上最悪99敗でも…公式ショップ店員が証言「日本人ファンが来てくれる」
posted2024/10/28 11:02
text by
田中仰Aogu Tanaka
photograph by
AFLO
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史上最悪の99敗…エンゼルスの今
エンゼルスファン歴45年。2004年からファンサイト「AngelesWin.com」を運営するチャック・リヒター氏(54歳)は言う。
「知り合いで、シーズンチケットホルダーのブリージー・ノーランという女性がいるんだ。彼女がこんなことを教えてくれた。オオタニがチームを去った今季も、日本人がエンゼルスタジアムを訪れる。彼女が現地で日本のファンに聞いたら、その人はこう答えたらしい。『大谷がきっかけでエンゼルスファンになった。だけど(移籍した)ドジャースにはなぜかあまり入り込めなくて……今もエンゼルスを応援している』と。興味深いなと思っていたんだ」
エンゼルスの現状について取材したいという趣旨をあらためて伝えたところ、開口一番、そんなエピソードを教えてくれた。いかにも「日本には物事がわかっている人がいるものだ」といった満足げな表情だった。
チャック氏は同じ地域にあるドジャースを憎む。メディアから注目され続け、スター選手が揃い、圧倒的なまでに強い。それがドジャースだからだ。99敗というチーム史上ワースト記録を残したエンゼルスとは何もかもが対照的である。
今年のエンゼルスはなぜ99敗というワースト記録を生んだのか。チャック氏の見解はこうだ。
「複合的な理由がある。まずはケガ人が続出したこと。マイク・トラウトが5月に、アンソニー・レンドンもシーズン終盤にいなくなった。(ともに先発左腕の)パトリック・サンドバルやリード・デトマーズをはじめ、期待されていた投手陣もパフォーマンスが優れず、離脱者が続出した。(野手の)ブランドン・ドルーリーも、昨季はよかったけど、今季は絶不調でケガもあったね。これだけケガ人が出れば、勝てるわけがないよ」
「エンゼルスの試合より、芝刈りのほうがマシ」
エンゼルスの試合はすべて、現地やテレビ、はたまた移動中の車のラジオですべてチェックしてきたチャック氏でさえ、シーズン終盤の試合は「見るのが辛くなった」と言う。主力選手が軒並み離脱し、序盤は好調だった若手有望株のローガン・オーハッピーも失速した。9月のチーム成績は、26試合でじつに19敗だった。