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「え、パナソニック辞めるの?」SVリーグ異例の移籍“セッター入れ替え”…34歳深津英臣がついに本音「しがみついてでもバレーボール選手で」
posted2024/10/29 11:02
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Yohei Osada/AFLO SPORT
愛された男の凱旋だ。
10月26日、SVリーグ男子・大阪ブルテオンの本拠地パナソニックアリーナが最も温かな拍手で包まれたのは、彼の名がコールされた時だった。
ウルフドッグス名古屋、深津英臣(34歳)。
パリ五輪を沸かせた日本代表ではなく、“元”日本代表のセッターだ。
2013年から12シーズン在籍したパナソニックパンサーズ(現・大阪ブルテオン)を離れ、今年7月に名古屋へ移籍した。
“凱旋”は試合前から注目を集めた。大阪ブルテオンの公式Xでは、名古屋から入れ替わるように移籍加入した長身セッター、永露元稀(28歳)と並ぶ2人の写真を投稿。広報担当者からの粋な演出と、会場から送られた割れんばかりの拍手に右手を挙げて応えた深津は「感謝しかない」と感慨深い表情を浮かべた。
「嬉しかったですね。頑張ってきてよかった、と思った瞬間でした」
パナソニックでも日本代表でもキャプテン
1990年生まれのセッターは、学生時代から名を馳せてきた。星城高で3年時にはインターハイ優勝。正セッターで主将も務めた東海大でもリーグ戦や全日本インカレを制した。パナソニックに入団後に間もなくレギュラーの座をつかみ、Vリーグでは2017年から20年まで主将も務め、3度のリーグ優勝に貢献した。日本代表でも2013年の初選出以後、2015年から正セッターとして出場機会を重ね2017年には主将も務めている。
五輪出場こそ果たせずにいるが、紛れもなく日本を代表する選手の一人であり、“パナソニックパンサーズ”を象徴する選手でもあった。
おそらくいつか現役を終える時が来ても、深津はパナソニックで指導者として歩んでいくのだろう。そう思う人が大半だったはずだ。