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大谷翔平は“制限つき”でヤンキース戦出場へ?「…だからドジャースはGOを出せた」左肩脱臼シーンを見た元MLBセラピストが“緊迫のベンチ裏”を考察
posted2024/10/29 06:00
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Getty Images
その瞬間、ドジャースタジアムは凍りついたように静かになった。ワールドシリーズでヤンキースに2連勝と好スタートを切ったドジャースだが、第2戦の7回裏、大谷翔平が盗塁を試みた際に左肩を痛めるアクシデント。今季もMVP確実のスーパースターが「左肩亜脱臼」を患い、にわかに暗雲が垂れ込めたように思えた。
しかし――現地10月27日の練習時、ドジャースのデイブ・ロバーツ監督は「今朝の状態はいい。彼自身が十分な状態だと感じるのなら、出場しない理由はない」と述べるなど、早期復帰への希望を感じさせる言葉を連発した。実際に28日、ヤンキースタジアムに舞台を移しての第3戦でも大谷の出場が有力視されている。激痛が伴うケガを負いながら、中1日でのカムバックは本当に可能なのか。フィールドに立ったとして、これまで通りの力を出すことは可能なのか。
元福岡ソフトバンクホークスの一軍トレーナーであり、ニューヨーク・メッツのセラピストとしても活動した小林睦宜氏に意見を求めた。
〈以下、小林トレーナーの一人語り〉
ドジャースがGOサインを出せた理由
脱臼で起こるケガといえば、怖いのはインナーマッスルの腱板、関節唇、肩の靭帯という3つの箇所の損傷と痛みです。完全に脱臼となったらダメージが大きいので復帰は難しかったんじゃないかなと思いますが、大谷選手のケースは亜脱臼。外からの力で一度肩が外れたとはいえ、また元に戻っているわけで、ここで復帰させるのであれば、激しく損傷しているわけではなかったというのがドジャースの見解かと思います。
MRIを撮って、肩の可動域があるのかと、筋力的にもある程度の力が入ると判断されたのでしょう。ただ、長期契約を結んだ重要な選手でもありますし、今回は亜脱臼で、さらにそこまで組織的な損傷がなかったと確認できたからこそゴーサインが出たというのは間違いないと思います。