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平泳ぎとクロール、どっちがアンチエイジングに効果的? “昭和生まれ”が水泳で気を付けたいこととは 

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鳥集徹

鳥集徹Toru Toridamari

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photograph byGetty Images

posted2020/12/12 11:01

平泳ぎとクロール、どっちがアンチエイジングに効果的?  “昭和生まれ”が水泳で気を付けたいこととは<Number Web> photograph by Getty Images

30~50代に効果的な泳ぎ方とはどんなものだろう。中村格子医師に聞いた

できるだけ速く泳いだ方がいい?

──ほかに注意点はありますか? 人によって泳ぐスピードも違うと思うのですが。

 そうそう、一般の人が利用できるプールって、カメさんとか、ウサギさんとか、泳ぐ人の速度によってレーンが分かれていますよね。なのに、カメさんやウォーキング専用のレーンで、全速力で泳ぐ人がいるんです。中高年の中にもいて、マスターズに出る予定なのかもしれないですが、やめてほしいんです。すいているところで思いっきり泳ぎたい気持ちはわかりますが、そういう暴走族のような人がいるプールは行きたくなくなります。自分のペースで、のんびり遠泳したいのに、あおる人がいる。あおり運転は禁止です!

──ほんとうにそうですね。ただ、速く泳いだ方が、運動としては効果的ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

 そうですね、速く泳ぐ方が心拍数も運動強度も上がるので、カロリーはより多く消費できます。ですが、中高年の場合は心臓に負担をかけ過ぎないことも大切です。60歳までの場合ですが、最大心拍数の7~8割で運動すると心肺機能が上がり、6~7割で泳ぐと脂肪が燃焼するとされています。ですので、それを目安にスピードや距離を決めるといいと思います。

 そのためにおすすめなのが、アップルウォッチなどスポーツ機能の充実したスマートウォッチです。これまで、水中で心拍数をモニタリングするのは難しいことだったのですが、最近はスマートウォッチの防水機能がすごく高まったので、つけたまま泳ぐことができ、心拍数もちゃんと記録されるんです。ランニングや水泳をしていると、自動的に安静時心拍数や最大心拍数を計算してくれます。

やればやるほど成績も上がると思い込むのは

──時計をつけたまま泳ぐことができるとは。そこまで機能が向上してるんですね。

 とにかく、中高年の水泳で怖いのは「やりすぎ」なんです。とくに中高年になってトライアスロンを始めた人とか、高齢者でマスターズに出ている人は要注意です。試合に向けて練習しすぎるのと、緊張、楽しさ、いろんなことが複合して、負荷をかけ過ぎてしまうきらいがあるんです。

 みなさんのまわりでも、昭和の生まれの人って、やればやるほど自分の成績も上がると思い込んでる人が多くないですか? 練習の後しっかり休みをとらなかったり、仕事のスケジュールが詰まっているのに試合を入れたり、楽しくなっていくつも試合をエントリーしてしまう。ストレスは発散されると思うんですが、知らない間にすごく疲れてしまっていることもよくあるんです。

──それはよくないですね。

 トライアスロンは「スイム(水泳)」「バイク(自転車)」「ラン(マラソン)」の三種目をこなさなければいけません。「鉄人レース」というだけあって、体に大きな負担がかかります。そのため、レース途中で亡くなる人もごくたまにいるのですが、実は死亡事例はランよりもスイムのほうが多いんです。飛び込んで、しばらく泳いでたら、心筋梗塞を起こして浮いてたとか。体調万全で臨んでいても、なにかが起きてしまうことがある。ですから、本当にやり過ぎには注意してほしいんです。

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