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平泳ぎとクロール、どっちがアンチエイジングに効果的? “昭和生まれ”が水泳で気を付けたいこととは
posted2020/12/12 11:01
text by
鳥集徹Toru Toridamari
photograph by
Getty Images
──30代から50代ぐらいまでの、まだ体がよく動く世代の人は、どれくらいの頻度で、どんな水泳をすればいいでしょうか。
久しぶりに泳いだら、いきなり長くは泳げませんよね。25メートルで限界という人もいると思うのですが、続けていると徐々に距離も延び、タイムも早くなっていくはずです。家庭でも仕事でも忙しいと思いますので、1、2週間に1回でもいいので、泳いでもらえると嬉しいです。
ただし、民間のジムはプールのあるところが少なく、みなさん区民プールなど公営のプールに行っておられますが、競泳用の施設だと50メートルの真ん中あたりでは水深が2.5メートルくらいあって、足がつかないんです。25メートルしか泳げないと溺れかねませんから、初心者の方は25メートルの浅いプールを探してください。
水泳って特殊なスポーツで、泳ぎ方を獲得できる年齢って、わりと若いんです。ですから泳ぎに自信のない人は自力で習得するのは難しいので、最初はプロのインストラクターに泳ぎ方を習ってもいいと思います。自己流で泳ごうとして、なかなか前に進めないとつまらなくなりますので。どの地域にも初心者向けの水泳教室はあると思いますよ。
クロールと平泳ぎ、どちらもできるならば…
──クロールと平泳ぎでは、どちらがいいでしょうか。
どちらでも得意な泳ぎでかまいません。フォームがきれいでなくても、速く泳げなくても、試合に出るわけではありませんから、気にする必要はありません。ただ、やはり平泳ぎのほうが大胸筋を使いますよね。ですから、どちらも無理なく泳げて、上半身を鍛えたいなら、平泳ぎがいいでしょう。
ただし、平泳ぎは脚を開いたり閉じたりするので、ひざや股関節の柔らかさが要求されます。ですから、ひざや股関節が痛い人は縦方向のキックをするクロールのほうがいいかもしれません。
ひざや股関節が痛くてクロールすらできないという人には、ビート板を足に挟んで上半身だけで泳ぐように指導しています。それだけでもやせることができるので、ひざや股関節の負荷が軽減し、痛みの改善が期待できます。それでも痛くて泳げないという人は、プールサイドに座ってキックの練習をするとか、水中でストレッチするくらいに留めたほうがいいでしょう。