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死闘を制してもイングランドはつまらない? エディー・ジョーンズ「負ければもっと批判される」 

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竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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posted2020/12/09 11:04

死闘を制してもイングランドはつまらない? エディー・ジョーンズ「負ければもっと批判される」<Number Web> photograph by Getty Images

オータムネーションズカップを制したイングランド。エディー・ジョーンズは試合後、選手たちを称えた

リザーブを8人→6人にしては?

 ワールドラグビーや現行のレフリングを批判しているようにも聞こえるかもしれない。だが、こうして問題点を指摘するだけでなく、ジョーンズHCはかねてからルール改正の方向性について、自身の意見とその理由を論理的に説明している。

 たとえば、現在8人いるリザーブ選手の数を、6人に減らしてみてはどうか、との提案を述べたこともある。後半に投入できる選手の数を減らせば、選手たちは終盤により疲労し、ディフェンスが綻びやすくなり、よりボールを展開する場面が増えるはず、というロジックだ。

 今年の秋のテストマッチのレフリングに関しては、南半球と北半球では一貫性が保たれておらず、これがオータムネーションズカップでのキック偏重の試合の多さに繋がっている、とも指摘した。こうした指摘への根拠を説明するジョーンズHCによれば、「ワールドカップでは大会中レフリングに一貫性があり、いい試合が多くなる。それは、大会前にレフリー達が現場で顔を合わせて、細かいレフリングの確認をできるからだ」とのことだ。

 ジョーンズHCは特定のレフリーや試合を指して批判しているのではなく、レフリーの試合の捌き方次第で、観ていて面白いプレーが生まれやすくすることは可能だ、と主張している点を忘れてはならない。世界のトップで活躍する他国の代表HCと夕食を囲みながら、「この先、ラグビーのルール改正とレフリングはどうあるべきか」という議論をすることもあるという。

“魅力的なラグビー”を展開できる豪華BK陣

 今大会では、キックを中心とした戦術が議論の対象となったイングランド。だが、勝ちにはこだわっているが、決してキック主体のディフェンシブな戦い方にこだわっているわけではない。ジョーンズHCの下、ファンが喜ぶような果敢な展開で攻めるという戦術オプションでも、これまで勝利を重ねてきている。

 WTBジョニー・メイ、FB/WTBエリオット・デイリー、WTB/FBアンソニー・ワトソンなどスピード溢れるBK陣でトライを取れるオプションも十分に機能しているだろう。ジョージ・フォード、オーウェン・ファレル、CTBヘンリー・スレイドなどのプレーメーカー型の選手たちの技術レベルも高く、展開型の戦い方ができないということではない。あくまで、現在の欧州でのラグビーの戦術トレンドが、こうしたオプションを使うべき場面を生み出さないというのが状況なのだ。

 現在の欧州でイングランドの最大のライバルとされるフランスとの次の対戦は、2021年シックスネーションズ第4節の3月13日。稀代の名将エディー・ジョーンズHCに率いられたイングランドは、どんな戦いを見せてくれるだろうか。

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