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松山英樹、金谷拓実に続く“世界1位”も誕生 アマチュア学生が「出るからには優勝」と言える理由
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katuragawa
posted2020/11/27 17:00
11月25日付の世界アマチュアランキングで1位になった日体大・中島啓太。三井住友VISA太平洋マスターズでは一時、首位に立った
杉原大河は飛距離300ヤード超え
愛媛生まれの河本をよく知る選手こそが、同学年、同じ四国・徳島出身の杉原でもある。こちらはすでに昨年10月、下部ツアーで優勝した実績を持つ。彼もロングドライブが売りで、ドライバーショットは300ヤードをゆうに超える。
昨今のトップアマの活躍について、杉原は「やっぱり、いまの学生には飛距離が出る選手が多くて、そういったアドバンテージはあるとは思います。練習量、トレーニングの質が年々上がっていると思う」と考えた。「失うものがない」とされるアマチュア特有の強さから、なりふり構わず振りちぎれるという利点もあるかもしれないが、海外で主流となったパワーゲームの波を若年層は敏感に捉えている。
“束になって”プロに襲いかかるアマ勢
日本オープンから1カ月後、金谷がディフェンディングチャンピオンとして出場した三井住友VISA太平洋マスターズでは、中島啓太(日体大)がサンデーバックナインでトップに立つプレーを見せて3位。そして翌週のダンロップフェニックスでは中島と米澤蓮(東北福祉大)が8位でローアマになった。
金谷にプレーオフの末に敗れた21歳の石坂友宏も現役大学生ルーキーで、昨年の日本オープンでローアマを分け合った桂川有人、同じ日大4年の清水大成はこの秋にアマチュア資格を放棄して来年のツアー参戦を目指してプロの予選会に参加しているところ。
確かにこれまでも、ツアーで活躍するとびっきりのアマチュアはいた。実際に優勝した倉本昌弘、石川遼、松山英樹はもちろん、宮里優作、池田勇太らも学生時代にプロ顔負けのプレーを見せていた。だが、こうも“束になって”プロに襲いかかる様は、男子ではここ最近のこと。昨年、金谷が達成した史上4人目のアマ優勝はその潮流の象徴といえた。