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松山英樹、金谷拓実に続く“世界1位”も誕生 アマチュア学生が「出るからには優勝」と言える理由
posted2020/11/27 17:00
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Yoichi Katuragawa
金谷拓実にとって「@マーク」はプロツアーでのリーダーボードや組み合わせ表で、自分の名前を見つけるための目印だった。
アマチュアの証は10月のプロ転向で剥がれ、代わりに賞金を受け取れるようになった。スマートフォンで確認する銀行口座には、11月のダンロップフェニックス優勝で得た2000万円を含めた日米4試合での約3500万円が早くも入金されている。
ただ、最近のアマチュア勢は「@マーク」があっても、スタート時刻や順位を把握するのに、ひと昔前より時間がかかるのかもしれない。
金谷が“卒業”した学生アマ界の選手たちの活躍が、なにせ目立って仕方ないこの秋だ。
新型コロナウイルスの影響で中断していた日本男子ツアーは9月に再開され、2戦目の10月・日本オープンから続々とアマチュアが出場した(再開初戦のフジサンケイクラシックはプロ転向直前の金谷だけ)。予選ラウンドを終えてトップ5のうち3人がアマという有り様。最終的にローアマに輝いた河本力(日体大)と杉原大河(東北福祉大)は5位に入った。
そのナショナルオープンで、優勝争いの中にいた河本の身にはちょっとした事件が起こっていた。
河本結の弟は大型プレーヤー
3日目に居残り練習をしていた時、ユーティリティ型の2番アイアンのフェースに亀裂が入っているのを発見した。中学2年時から彼をサポートするキャロウェイゴルフの用具担当者によれば、ドライバーなどのウッドが同じように壊れることはあれど、アイアンのヘッドにおいては「プロでも見たことがない」事例だという。大慌てでスペアのクラブを作り上げていた。
米女子ツアーでプレーする河本結の実弟は身長183cm、体重90kg超の大型プレーヤー。ドライバーのボール初速は80m/sを超える。これはPGAツアーでも上位に入る数値で、実際のところ、今の日本ツアーで彼よりも確実に飛ぶと言える日本人選手を見つける方が難しい。原因が「彼のパワーしか考えられない」というヘッドの破損については今後、米国本社の開発部門に報告するという話もあるとか……。