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松山英樹、金谷拓実に続く“世界1位”も誕生 アマチュア学生が「出るからには優勝」と言える理由
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katuragawa
posted2020/11/27 17:00
11月25日付の世界アマチュアランキングで1位になった日体大・中島啓太。三井住友VISA太平洋マスターズでは一時、首位に立った
ゴルファーに「@マーク」は関係ない
コロナ禍でのシーズン再開は、世界的にも若手が活躍するチャンスと言われている。ロリー・マキロイらは、無観客試合が普段ギャラリーの前でプレーすることがほとんどなかった学生上がりの選手たちに有利に働くと早くから述べていた。
確かにウイルスによる未曽有の事態で、学生トップアマはプロ同等に四六時中ゴルフのことを考えられる生活を享受できたかもしれない。大学の試合も中止が相次ぎ、彼らが昨年までのようにプロ・アマの大会を行き来して、コースセッティングのギャップに苦しむこともない。エリートアマは普段以上の熱量と集中力を持ってツアーでの連戦に臨んでいた。
とはいえ、彼らが時代の流れや勢いだけでここまでの活躍を見せているわけでもない。
三井住友VISA太平洋マスターズでの開幕前のインタビューが印象的だった。米澤は最初の質問を受けるなり、「コロナで試合がない中で、こうして機会をくださる方にまずは感謝したいです」と主催者や関係者へのお礼を口にした。
ゴルファーに、競技者に最低限必要とされる人格的な資質に「@マーク」は関係ない。好成績のみならず、実直に、溌溂とプレーする姿がプロゴルフファンのハートをつかんでいる。