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B1「一年生」広島ドラゴンフライズ、評価は“可と不可のあいだ”? ケネディ帰化でスケールアップなるか
text by
カワサキマサシMasashi Kawasaki
photograph byB.LEAGUE
posted2020/11/22 06:00
11月17日に日本国籍の取得を発表したトーマス・ケネディ。今季15試合出場、1試合平均12.7得点、3.1リバウンドをマーク
「個の力では、打開できない」
指揮官、そして中心選手がともに「チームでプレーする」ことの必要性を訴えた。現在の広島が抱える課題は、明らかだ。
「全員でボールムーブすることについては、口酸っぱく言っています。個の力では、打開できない。そのことを選手たちも、だんだんとわかってきていますし、私自身もB1の選手を相手にして、1対1では攻守のズレがつくれないことをわかっています。
ですがボールを動かすことで、相手のディフェンスが動く量が増える。そのズレを使ってペイントにドライブすることもできるし、ノーマークの選手も生まれやすい。私たちのチームはシュート力はあるので、そういうオフェンスができるようになれば、自然と得点が獲れるようになってくると思っています」(堀田HC)
コートに立つ5人が有機的に絡み合った
直近で勝利した11月11日の京都ハンナリーズ戦は、課題解消のヒントをつかんだゲームだったかもしれない。
試合は前半をタイスコアで折り返し、第3Qで29得点を奪って突き放すと、そのまま危なげなく勝利。前半こそ相手のゾーンディフェンスに手を焼いたが、ハーフタイムで選手も意見を出しあって、プレーを修正した。その結果、人もボールも能動的に動き、コートに立つ5人が有機的に絡み合ったプレーが多く見られた。
「ボールがただ回っているだけだと、ズレもなにも起こりません。ペイントエリアへのドライブやポストヒットだったり、ペイントタッチすることを心がけさせました。京都戦ではボールムーブの意識や、ペイントタッチをやろうという意識がつき始めていることを感じました。
それにあの試合は、ディフェンスの強度を上げてプレッシャーをかけ、スティールなりターンオーバーを誘って、そのあとに速攻が出せた。ああいったバスケットが、継続してできるようにやっていきたい」(堀田HC)