「僕も今年35歳ですけど……」

ときど　格闘技と格闘ゲームがちょっと違うなと思ったのは、ゲームの場合、練習も試合とまったく同じ状況でやるので、毎回勝負事としてのぞめるんですよ。

青木　たしかに格闘技の場合、練習で試合と同じことはできないので、わりと練習は練習になっちゃうんですけど、やっぱり楽しいですよ、生モノだし。練習でもそのときそのときでトレンドがあるから。

ときど　僕も今年35歳ですけど、いまだに新しいことができるようになる感覚がありますしね。

青木　僕は37歳ですけど、やっぱり練習すれば覚えるんで。でもそれは、試合で強いこととまた別の話なんですよ。たくさんの技術をインプットしますけど、そうやって引き出しに入れておいたもののうち、実際に試合で使うのは、せいぜい2つか3つですかね。

プロゲーマーのときどさん

ときど　でもその引き出しにあるものって、どこかで効いてるなって感覚はありますよね。

青木　懐が深くなるから、厚みにつながりますね。「ここが足りないからここだけやればいいんだ」という気持ちで練習していると、結局ものすごく陳腐な技術で終わってしまうことがあります。

ときど　昔の僕がそうでした（笑）。この技が強いから、これだけ練習して100％出せるようにしておけばだいたい勝てるだろうと思って。

青木　それだとなんと弱くなるんですよね。

練習でできることがなぜ本番だとできない？

ときど　格闘技の本番と練習の違いはどう調整してます？

青木　どうしても状況が異なるので、いかにイメージを働かせて練習するかですよね。

ときど　ゲームだと、当たり前のように練習でも試合と同じ条件でできちゃうので、ついつい緊張感が欠けてしまうことがあるんです。でも、やっぱり本番の試合になると気合いの入り方も違うし、緊張もするし……。

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