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アウトサイドの外国籍選手が今季のカギ!? 千葉ジェッツが模索するオンザコートの最適解とは
 

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吉川哲彦

吉川哲彦Akihiko Yoshikawa

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photograph byB.LEAGUE

posted2020/11/01 17:01

アウトサイドの外国籍選手が今季のカギ!? 千葉ジェッツが模索するオンザコートの最適解とは<Number Web> photograph by B.LEAGUE

10月28日(水)のアルバルク東京戦では29分34秒出場し、25得点5リバウンド4アシストとチームの勝利に貢献したショーター

12人全員を同じようにハッピーにはできない

 その名古屋D戦から3日後には、アルバルク東京との今シーズン初対決があった。

 結果は82-73で千葉の勝利。ショーターはボールハンドラーとして千葉の得意な速い展開を演出し、25得点の活躍を見せた。29分34秒出場したことは、ディフェンス面でも大野HCが要求するタフさを発揮した証だろう。

 A東京は過去2度にわたってファイナルの舞台で激突し、いずれも敗れたライバル。ショーターの奮起でA東京を破ったことは何よりも大きな収穫だったはずだ。

 大野HCの根底にあるのは、「プレータイムは自分の力で勝ち取るもの」という競争原理。外国籍選手であろうと、チームの約束事を遂行できる選手でなければコートに立たせないということを、選手にも明確に伝えている。

「12人全員を同じようにハッピーにはしてあげられないんですよ。平等にみんな10分ずつ出て頑張りましょうね、ということはしない。そうすると競争は絶対に生まれてこないんです。

 例えば僕がイスを4つ用意して、それに他の選手がもう座っていると感じるのであれば、それをどかせてでも取りにいかなきゃいけない。僕がイスを増やすことは簡単ですが、そのイスで満足できる人間はここにいてもしょうがない。少ないイスを取り合うほうがチーム力も個人の力もアップすると思うんです」

「僕たちの成果は2つある」

 チーム内の競争を煽ることに関しては、大野HCは就任してから一貫して取り組んできた。5シーズン目を迎えた今シーズンは、その点で選手たちの意識の部分に今まで以上の手応えを感じているようだ。

「競争しようという想いはすごく出てきています。それが行動やプレーでもっと出てくると、皆さんに喜んでもらえるものを見せられるんじゃないかと思います。タフじゃないチームは皆さんも見たくないと思いますし、真摯にボールを追いかける姿を見に来てくれている。

 選手たちには『僕たちの成果は2つある』と言っているんです。1つは試合に勝つこと。もう1つは支えてくれている人たちに喜んでもらうこと。勝ったとしても、支えてくれる人が喜ばなかったら成果は半分でしかない。だからこそ、特に試合のクロージングで、見に来てくれている人がいることを忘れるようなプレーをすれば厳しく言います」

【次ページ】 「『カタカナばっかり』って言われるんです」

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