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レアルで腐ってたベイルが超楽しそう トッテナム&アーセナルの北ロンドン勢が補強勝ち組に
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/10/23 11:02
レアル・マドリーで不遇をかこったベイル。古巣トッテナムでかつての輝きを取り戻したい
ダニ・セバジョスは不可欠の存在に
さらに、ダニ・セバジョスは細かいボールタッチで、トーマス・パーティーは豊富な運動量で中盤を支え、ウィリアンがチェルシー在籍時に培った経験は、中堅クラスでも修羅場を潜り抜けていないアーセナルには貴重な財産だ。
そのアーセナルは、今シーズンもリバプールとマンチェスター・シティに敗れている。しかし、レベルの差に愕然とするような試合内容ではなかった。ミケル・アルテタ監督はポゼッション志向だが、試合展開によってはボールを捨てるケースや籠城を選ぶ覚悟がある。
2強との差は確実に狭まっており、指揮官の考え方も柔軟だ。アーセナルはトップ4返り咲きに向けて準備万全、といって差し支えない。
トッテナムのホイビュアはビッグヒット
トッテナムも態勢を整えつつある。
手薄だったGKに元イングランド代表のジョー・ハートを、セルジュ・オーリエひとりで心もとなかった右サイドバックには、マット・ドハーティを獲得した。
左サイドバックにもスピード豊かなセルヒオ・レギロン、中盤センターにピエール・エミル・ホイビュア、前線にカルロス・ビニシウスを補強し、ギャレス・ベイルが7年ぶりに帰還。総勢6名を加えた結果、基本的には各ポジションに2人ずつを擁するスカッドができあがった。タフな日程でもローテーションが可能になった、と言っていいだろう。
なかでもホイビュアはビッグヒットだ。ボール奪取能力が随所で高く評価されるハードワーカーであると同時に、ジョゼ・モウリーニョ監督はロッカールームでの影響力にも期待していた。
「ホイビュアはバイエルン・ミュンヘンに所属していた2年間(2012~14年)で、勝者のメンタリティを会得している。ロッカールームで悪人を演じられるタイプだ。ユーゴ・ロリス、ハリー・ケインとは異なるキャラクターを持つリーダーといっていい」
ホイビュアの勝負根性が、ぬるかったトッテナムに刺激を与えるか。