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レアルで腐ってたベイルが超楽しそう トッテナム&アーセナルの北ロンドン勢が補強勝ち組に
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byGetty Images
posted2020/10/23 11:02
レアル・マドリーで不遇をかこったベイル。古巣トッテナムでかつての輝きを取り戻したい
やはりベイルに期待せざるを得ない
そしてやはり、ベイルには期待せざるをえない。トッテナム復帰後、笑顔が弾けている。「求められていた場所に戻ってきた」と本人も語っていたが、意見の相違が相次いだレアル・マドリーとは異なり、古巣では楽しくプレーできるようだ。
ケイン、ソン・フンミンとの3トップはリーグ屈指の破壊力だ。ベイルの1トップという選択肢もある。スーパーサブとしても活用できる。31歳になったが、その馬力はまだ衰えていない。
「コンディションが整い、プレーが安定してくれば、ベイルはトッテナムに少なからぬプラスをもたらすだろう。一目置かれた存在になる」
ハリー・レドナップ(元トッテナム監督)も太鼓判を押していた。
こうして、ノースロンドンの名門2チームが闘える陣容を整えた。昨シーズンとは明らかに違う。選手個々の能力は優れているだけに、連係が深まっていくと長期間の連勝も考えられる。
リバプールはファンダイクが……
しかも、大本命のリバプールにアクシデントが生じた。5節のマージ―サイド・ダービーで、ビルヒル・ファンダイクが右膝に全治7~8カ月の重傷を負った。しばらくの間はジョー・ゴメス、復帰間近のジョエル・マティプを軸に据え、ファビーニョを一列下げるしか策はない。ファンダイク欠場のダメージは大きすぎる。
シティはひとつのサイクルが終わっている。勝利に対する意欲が薄れ、ジョゼップ・グアルディオラ監督の求心力低下まで噂されはじめた。トップレベルこそ辛うじて維持しているものの、一昨シーズンまでのような強さはすでにない。
また、前述したようにユナイテッドは補強に失敗し、チェルシーは中盤と前線が飽和状態だ。昨シーズン、5位と躍進したレスターはチェルシーに移籍したベン・チルウェルの穴が埋められず、スピード、スタミナ、状況判断、闘争心のすべてを装備していたウィルフレッド・ディディは、鼠蹊部やアキレス腱の負傷で復帰の目処すら立っていない。