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実は恋多き男!? 祝・80歳ペレの知ってるようで知らないキング伝説&生涯ベストゴールとは
posted2020/10/23 06:00
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
10月23日、キング・ペレが80歳になった。言うまでもなく、世界フットボール史上最高の選手である(ただし、アルゼンチン人だけは「ディエゴ・アルマンド・マラドーナの方が上」と言うかもしれないが)。
誕生日を前にして、キングは約4分間の動画を発表した。サントス郊外の自宅の居間で、青い半袖シャツを着て座っている。表情は穏やかだ。
「私はこのように健康で、頭もしっかりした状態で、まあ特に賢いとは思っていないが(笑)、80歳の誕生日を迎えることができた。これはすべて神様のお陰であり、感謝している。
大勢の人たちから、お祝いのメッセージやメールをいただいた。この場を借りて、お礼を申し上げたい。
フットボールのお陰で、私は世界中どこへ行っても歓迎してもらえる。いずれ天国へ行ったら、神様から同じように温かく迎えてもらいたい(笑)」
「スタミナがあるのは3つの心臓が」
2012年に腰の手術をして以来、腎臓や尿道にできた結石を除去したり尿路感染症などを治すための入院や手術を繰り返してきた。歩くには杖の助けや車椅子が必要なようだが、今年は入院や手術はしておらず、まずまず元気のようだ。
エジソン・アランテス・ド・ナシメントは1940年、ブラジル南東部ミナス・ジェライス州のトレス・コラソンエスという小さな町で3人兄弟の長男として生まれた。父親はCFとして中小のクラブを渡り歩いたプロ選手だったが、当時、この町で軍役に服していたのである。
この町の名前は「3つの心臓」という意味で、ペレは現役時代に「私がスタミナがあるのは心臓が3つあるからさ」と話すのが定番のジョークだった。