箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
“超高速”箱根駅伝予選会「なぜルーキーが活躍?」「中央学院大、衝撃の落選」…全結果を振り返る
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJMPA
posted2020/10/20 18:55
5km、10km、15km、20kmのポイントでトップ。“完全勝利”を果たした順天堂大学
なぜ“ルーキー活躍の年”になったのか
今回の予選会で超ハイペースのレースの展開になったなか、目立ったのは、1年生の活躍だ。予選突破の上位10校のうち、1年生がチームトップを取ったのは順天堂大、中央大、専修大の3チーム。トップ通過の順天堂大、3位城西大、4位神奈川大は1年生が3名出走し、予選突破に貢献している。大物と呼ばれるルーキーが毎年生まれるが、特に今年に1年生が活躍した背景には、コロナ禍の影響がある。
相次いで大会が中止になったおかげで、レースに追いかけられることなく、質の高い練習をこなしながら成長できたこと。さらに、今回は気温的に恵まれ、コースが通常のラスト5kmのアップ&ダウンがきついタフな旋回コースではなく、平坦な周回コースで力を発揮しやすい環境だったことが挙げられる。来年も1年生の育成と活躍が予選突破を左右する1つのキーになりそうだ。
また、筑波大、中央学院大、麗澤大など落選組と突破校を見比べると、8番から12番の選手の第2グループの走りが明暗を分けたとも言える。これはいつも言われていることだが、中間層から下の2番手グループをいかに崩さずに走らせることができるか。予選突破を目指すチームは、トップ選手を確保するのと同時に、その命題に取り組むことが不可欠であると改めて感じさせられた。
順天堂大が驚異的なタイムでトップ通過を果たしたが、これは昨年から続くレースの高速化の流れを汲むものだ。今年の箱根駅伝も高速化の波がさらに大きくなり、そのスピードに対応できないチームはシード権を失うことになる。予選会を突破した順天堂大、中央大、城西大はどこまでシード校に対抗できるだろうか。
今年の箱根駅伝は超高速で駆け抜ける、見どころが多い大会になりそうだ。