水沼貴史のNice Middle!BACK NUMBER
冨安健洋、驚異の守備力と「首振り回数」 吉田麻也との10歳差コンビに水沼貴史も太鼓判
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byGetty Images
posted2020/10/19 17:00
アフリカ勢と対峙した2試合で危なげないプレーを見せた冨安健洋
立ち位置を変えた吉田との関係性
そういうプレーを見ても、本当によく考える選手だなと思いますね。昨季ボローニャでは右サイドバックを任されましたが、意識的に左足でのフィードを取り入れたり、プレーの選択肢も増やしていた。日頃からC・ロナウドらとマッチアップしているイタリアでの経験を代表にもしっかりと還元できていますね。実はスピードもある選手ですし、これまでのセンターバックとは違った特徴があるなと改めて感心してしまいました。
今回の2試合では吉田とのセンターバックの並びを変えましたよね。これまでは吉田が左、冨安が右に入ることが多かったはず。これはお互いのクラブでの立ち位置でやろうという狙いがあったようです。森保監督らコーチ陣との話し合いもあったはずですが、2人の経験値のなかでアレンジできるようになった。年齢は10も離れていますが、プレーぶりから吉田の冨安への信頼を感じることができましたし、互いに刺激し合える関係なのではないでしょうか。
存在感あった遠藤航のボランチ
コートジボワール戦ではボランチに入った遠藤航もよかったですね。所属するシュツットガルトではアンカーにリベロと、チームに欠かせないピースとなりつつある。ブンデスリーガでもデュエルでの勝率が高いように、この試合でもピンチの芽をつむ場面が目に留まりました。彼ら中央ラインがある程度計算できることは大きいと思いますよ。
そこに代えの効かない選手に成長した酒井宏樹がいる。彼は3バックでも起用できるので、チームとしてのオプションが広がりますよね。また中山雄太も森保監督の期待が窺える起用でした。彼も海外へ渡ってメンタルの強さが増して、五輪代表で中心を担うという自覚がプレーに現れていたと思います。準備が短い中でも、ある程度のメンバーを揃えてきたカメルーン、コートジボワール相手に守れたことは収穫と捉えていいでしょう。