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冨安健洋、驚異の守備力と「首振り回数」 吉田麻也との10歳差コンビに水沼貴史も太鼓判
text by
水沼貴史Takashi Mizunuma
photograph byGetty Images
posted2020/10/19 17:00
アフリカ勢と対峙した2試合で危なげないプレーを見せた冨安健洋
伊東純也の「縦」、課題は?
攻撃面では、やや課題を残しました。でも自分たちのサッカーで圧倒できる国の方が少ない。連係、連動をこれからどう構築していくかに注目していきましょう。
良かった点を挙げると、伊東純也の「縦への推進力」が新鮮に映ります。右サイドには堂安律ら左利きの選手を配置することが多いため、今回の試合でも違いを見せることができたと思います。あとはクロスの精度が上がれば、というところでしょうか。ただ伊東の精度だけでなく、それに合わせるゴール前へ飛び込む選手の少なさにも物足りない印象を受けます。逆サイドの選手がゴール前やファーサイドに入るなど、そういう勇気あるプレーが約束事になればもう少しチャンスが増えるのかなと思いますね。
コートジボワール戦、トップ下で先発した鎌田大地も自信を持ってプレーしていました。彼は斜めに流れてウイングの前でボールを受けるのがうまく、ゴール前の狭いところにも入っていける選手。どんな制限があってもボールを正確に操れる選手なので、もっと周囲が意識して預けてもいいのかなと思います。
裏方の尽力を忘れてはいけない
11月にオーストリアでメキシコとの親善試合を行うことが発表されました。ネーションズリーグがある欧州勢とのマッチメークは難しいですが、ホームではない場所でアフリカ勢、メキシコといった力のある国々と試合を行えることはとても貴重です。欧州に駐在するスタッフや裏方のサポートへの感謝も忘れてはいけません。
さらに今回の代表チームには、万が一に備えてU-23代表のスタッフを帯同させたそうです。五輪世代の選手が多くいたので、視察の意味合いも強かったように感じますが、どんな場面にも対応できるよう徹底した準備があったのでしょう。テレビでちらっと映る関係者の顔を見て、それを強く感じました。裏方の尽力があっての代表戦だったことを最後に付け加えておきます。
(構成/谷川良介)
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