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原口元気インタビュー「最低でも10得点、10アシスト」 10番の自信、室屋成への助言とは
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2020/10/04 17:01
ドイツ2部が開幕し、原口元気はハノーファーで先発出場した。1部昇格へ期待がかかる
チームを助けられないと、もどかしい
――昨年11月にコチャク監督が就任してからボランチのような役割を担うことも多かったですが、昨シーズン終盤からはトップ下がメインになりました。監督とはどんなやり取りを?
「6番のポジション(守備的MF)、8番(インサイドハーフやセンターMF)、サイドと、昨シーズンからプレシーズンにかけて色々やりました。ただ、(9月5日に行われた親善試合の)ブレーメン戦の後に監督には『やっぱり10番のポジション(トップ下のこと)がやりたい』と伝えて。監督も納得してくれて、今はこのポジションに専念して準備していきたいなという感じです」
――トップ下をやりたいと伝えたのはなぜでしょう?
「簡単にいえば、左右両サイドのサポートにいけるから。左サイドのMFで試合に出たら、右のサポートには行けないじゃないですか? 自分が左サイドでプレーして、右サイドで攻撃を作っているときにチームが困っても、DFラインの背後への動きくらいしかできない」
――選択肢が限られているのがイヤなのですか?
「自分たちの戦いが上手くいっていない時間帯に、チームを助けられないと、もどかしさを感じるので。あとは、今のチームには両サイドにクオリティーのある選手がいるので、自分が中央にいたほう良いなとも思いますし。やっぱり色々なサポートの形があって、自分のやれることの可能性も広がるので、今は真ん中のポジションの面白さを感じてはいます」
真ん中のポジションはサポートにやりがいが
――「サポートの形」という考え方は、昨シーズンからスペイン人の個人分析官との契約をしてサッカーを学んでいることとも関係しているのでしょうか?
「そうですね。例えば、分析官とのディスカッションのなかで、試合前には僕のプレーについてだけではなくて他のトップ下の選手の参考になるプレーを提示してくれたりもして。チームのサポートについても、DFラインの裏をとるとか、ゴール前に入っていくものだけではなくチームを前進させていくためのものもあります。色々と分析しながら取り組んで、その精度が上がってきていると思っています」
――「前進させていくためのサポート」というのは?
「主には自分がピッチの上のどこに顔を出すかという話で……。サポートにも色々な種類があります。ピッチの幅をとるため、逆サイドに展開するというサポートもある。困っている選手を助けるための緊急のサポートもある。テンポよくパスをつなぐための中間のサポート……。サポートにも、4~5種類あるんですけど、『今は、このサポートをすべきだ』と使い分けながら、やれているので」
――チームを助けたいという想いと、個人的に取り組んでいることを出せるやりがいと、両方をトップ下のポジションでは満たせるわけですね?
「さきほど話した前進するためのサポートについても、去年1年間かけて何度も取り組んできたので。背後のサポート……要するに、裏への飛び出しも、10番のポジションで出るときには意識してやっているポイントです。真ん中のポジションだと左右両サイドにサポートにいけるので、やりがいがありますよね」