欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
原口元気インタビュー「最低でも10得点、10アシスト」 10番の自信、室屋成への助言とは
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2020/10/04 17:01
ドイツ2部が開幕し、原口元気はハノーファーで先発出場した。1部昇格へ期待がかかる
室屋成は慣れない状況をポジティブに
――すでにレギュラーポジションをつかみつつある、新加入の室屋成選手については?
「サッカーにも、言葉にも、この国にも、まだ慣れていないけれども、彼はこの状況をポジティブにとらえてやっているので。もちろん、彼が上手くいくように僕もたくさんサポートをしているし。むしろ彼が上手くやってくれないと僕も困る。1部に昇格するためにね」
――加入前には室屋選手についての評価を原口選手にたずねたと監督らが話していましたが。
「監督に聞かれて、推薦したところはあるので。成のパフォーマンスが悪ければ俺のせいになるので、『それは困るよ』と彼には伝えましたけど(笑)」
エゴとは違う意欲を出せるように
――開幕戦についてもう1つだけ。アシストの直前のシーンは、原口選手とフランツ選手の間にボールがこぼれて、どちらが拾っても良いような状況でした。でも、原口選手は全力でボールを拾いに行き、ドリブルを仕掛け、アシストを記録しました。別のシーンでも、似たようなプレーがありましたが、それらのプレーの裏には何があったのでしょう?
「やっぱり、意欲のようなものを出していかないといけないと思っていて。『意欲』って、簡単な言葉ですけど、すごく大事で。それが結局、数字につながる……ハーランドの開幕戦(ブンデスリーガ1部開幕戦、ドルトムント対ボルシアMG)3点目のゴール、見ました?」
――試合終盤、ドルトムントが2-0でリードしている状況で、自陣のペナルティーエリアからおよそ100mの距離を走り、追加点を奪ったシーンですよね?
「あれはもう、意欲の塊でしょう。あれだけの距離をスプリントするのは『絶対に点を取るぞ!』という意欲からですよね。C・ロナウドも一番後ろから一番前に出ていって点を取るようなことがあるし、結果を残す選手にはそれがある。
でも、ああいう意欲が自分にはまだまだ足りないなと思って。本当にチャンスだと判断したら、全部自分で行きたいと今は思っています。それはエゴイストになるということではなくて……言っている意味、わかります?」
――「チームを助ける」ために、点を取る意欲を出したいと?
「意欲があったら、やっぱり自分から出ていくんですよ。開幕戦のアシストの時も、ボールがこぼれて、もしかしたらフランツのほうがボールに近かったかもしれない。でも、自分が仕掛けたいと思ったから、そこからドリブルをしていったわけで。それがアシストにつながったし。その意欲こそ、今の僕が意識しているポイントでもあるし、それをやれるだけのクオリティーはつき始めていると思っています」